研究課題/領域番号 |
18K02791
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
吉岡 伸一 鳥取大学, 医学部, 教授 (00191544)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | てんかん / 小・中学・高校 / 教員 / 児童・生徒 / 医療支援 / てんかん発作 / 知識 / 経験 |
研究実績の概要 |
鳥取県内の小・中学・高校の教員を対象に、てんかんのある児童・生徒対応の実態について、無記名自記式調査を用いた質問紙調査を実施した。研究協力は、小・中学・高校(それぞれ10校、10校、5校)の600名の教員から得られた。本研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を得て行った。調査票は小・中学・高校の教員(それぞれ93名、168名、97名)から回答があった。てんかんについて学んだ教員は、233名(65.1%)で、てんかん発作を見たことのある教員は182名(50.8%)で、うち153名(42.7%)の教員は、教員になった後にてんかん発作を起こした児童・生徒をみたことがあった。てんかん発作を目撃した場所は授業中が89名(58.2%)と最も多く、その時の対応として、他の教職員に連絡したが104名(68.0%)と最も多く、次いで保健室に運んだ81名(52.9%、保護者に連絡76名(33.3%)であった。 てんかんの知識について、有病率は千人に一人が143名(41.9%)、てんかんを起こす原因も脳の病気が228名(63.7%)、てんかん発作の症状も全身けいれんして倒れるが301名(84.1%)とそれぞれ最も多かった。てんかん発作の適切な対処法について、なるべく刺激を与えずに寝かせるが285名(79.6%)が多かったが、口の中に何か物をかませることは正しいと130名(36.3%)が回答していた。てんかんのある学生との関わりについて、心配・少し心配である教員は29.名(81.0%)で、その理由としていつ発作が起きるか分からない不安・緊張、発作時の対処法が分からないを挙げていた。 教員はてんかんに関する基礎的知識や発作時の対処法など比較的十分であったが、てんかんのある児童・生徒との関わりや対応に不安を感じていた。 その他、令和2年度中に行った大学教員及び保健管理施設対象の研究成果を学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画書に記載されていた小・中学・高校の教員(養護教諭を含む)に対するてんかんのある児童・生徒対応の実態について調査を終了し、結果を分析した。令和3年度中に報告書を作成し、研究対象の学校に報告書を送ることができた。 また、令和2年度に行った調査結果を国内学会、国際学会にて発表した。 本研究課題で、令和3年度までに予定していた調査を終えたが、調査結果の分析を深め、調査結果を発表する段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度及び3年度に行った研究成果を国内学会及び国際学会にて発表する予定である。また、てんかん発作対応マニュアルを作成し、本研究に協力して頂いた学校に配布し、本研究課題の研究成果を論文投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、当初、予定された国内開催の2つの学会が全てオンラインにての開催となったため、旅費等の費用が不要になった。また、コロナ禍のため、海外での学会参加ができなくなったため、旅費等の費用が生じなくなった。 また、学校教員を対象とする調査において、当初、予定していた研究協力者数が大幅に少なくなったため、郵送代等を含むその他の費用が少なくなった。
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