研究の全体構想は、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの北欧諸国のインクルーシブ教育の展開過程における包摂と排除の構造を検討することであった。具体的には、ノーマライゼーション、インテグレーション、インクルージョンの具体化を先進的に進めてきた北欧諸国がこれまでインクルーシブ教育を推進する過程でいかに排除を逓減し、包摂を逓増させたかに着目しつつ、①インクルーシブ教育の多義性と矛盾・課題、②通常学校におけるインクルーシブ教育実現の方略、③特別学校の子どものインクルーシブ教育の推進、④多様な教育的ニーズに応じる「特別ニーズ教育」の観点から明らかにした。
|