研究課題
小児思春期摂食障害は深刻な身体的、精神的後遺症を残すことが報告され社会的にも重要な問題でありながら、治療構造が統一化されているとは言い難い。包括的な診療プログラムの作成の必要がある(①)。また2020年のCOVID-19感染症流行に伴い、10代の神経性やせ症(AN)の増加が国内外で報告された。増加する小児摂食障害の縦断的な経過を把握する必要がある(②)。実績概要:①小児心身医学会の摂食障害ワーキンググループの入院治療班のリーダーとして小児摂食障害診療ガイドライン(改訂第3版)を作成し、学会誌に掲載された。2023年度の実績は2024年に小児心身医学会学術集会のシンポジウムで発表予定である。②外来・入院患者の生物学的基本データの集積を行うために対象となる500名を超える患者データベースを作成し、2023年度も継続した。2020年から2023年のポストコロナ4年間と2019年のプレコロナの摂食障害患児の臨床的特徴を比較した。初診患者数は2019年と比較し、2020年2.2倍、2021年1.9倍、2022年1.9倍、2023年1.7倍と2023年も高水準が維持された。ポストコロナの特徴としては、2021年まではANの病型が有意に多かったが、以降はANは減少傾向を示し、回避・制限性食物摂取症(ARFID)の病型が増え続けていることが分かった。増加する食行動異常はその時代の子どものメンタルヘルスを反映していると考えられた。2023年度は小児心身医学会学術集会や日本摂食障害学会学術集会などで発表した。③早期発症摂食障害発症メカニズムの解明として入院患者110名を対象に、影響度の高いリスク因子や保護因子を解析(三重大学松浦による)、結果として入院患者の入院日数を予測する因子として収縮期血圧の変化が示唆された。2023年度は論文作成を進めた。
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