• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

知的障害児の仲間との相互作用による学習活動における認知特性とその援助方法

研究課題

研究課題/領域番号 18K02800
研究機関國學院大學

研究代表者

渡邉 雅俊  國學院大學, 人間開発学部, 教授 (40367602)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード仲間との相互作用 / 知的障害 / 社会的認知葛藤 / 見立て描画
研究実績の概要

定型発達幼児を対象とした実験データを分析し、論文を作成した【研究実績①】。次に発達障害幼児を対象とした事例研究を論文として発表した【研究実績②】。研究実績①:知的障害児童や定型発達幼少児では, 相手との間に生じる社会的認知葛藤を適切に制御できず, 十分に話し合わないまま合意に至り, 学習に利益をもたらさない可能性がある。そこで, 社会的認知葛藤を認知的に制御することを促す介入の効果を検証した。年長児を介入群, 非介入群, 個人制作群に振り分けた。制作課題は, 見立て描画であった。2名で1つの作品を完成するペア制作において, 介入群は, 視覚的手がかりを用いながら表現方略に着目して話し合うように教示した。非介入群は, 自由に話し合って貰った。その結果, 介入群は, 事前個人制作から事後個人制作にかけて, 作品に適用された表現方略の水準が向上し, 構成要素数も増えることが示された。この効果は, 介入から2週間以降に実施した遅延個人制作でも維持された。ペア制作の発話の分析から, 介入群が, より多くの合意に向けた作品名や作品の構想の提案を明示し, その内容は見立てを表現するための図形と色の操作に関連付けられていた。本研究の介入が, 共同制作の合意形成で生じた社会的認知葛藤の認知的制御を促したと推考した。研究実績②:いざこざが目立ち教員から気になると捉えられていた年長児のペアを対象として、見立て描画を採り上げ、仲間との相互作用において互恵性を高める援助方法を検討した。援助は、作品名を決める話し合いの際、表現方略の視覚的手がかりを提示し、それを操作しながら考案するように導いた。その結果、表現方略の向上と構成要素数の増加が認められた。ペアでの話し合いの分析から、互いの発案に興味・関心を持ち、それを共有することで表現可能性を広げる方略を習得できたことが学習に利益をもたらしたと推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症対策のため、実験対象となる知的障害のある児童生徒が在籍する特別支援学校でのデータ収集を実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

感染症対策を十分に行い、なるべく早い時期にデータ収集を実施する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の影響で、学会や実験が中止または遠隔となり、旅費が使えなかった。これらを次年度の旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 学びの協同性を育むための仲間との相互作用への援助事例2021

    • 著者名/発表者名
      渡邉 雅俊
    • 雑誌名

      人間開発学研究

      巻: 12 ページ: 33-46

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi