本研究課題は、知的障害児の協同学習における仲間との相互作用の特徴と、それに応じた支援方法の開発が目的であった。仲間との相互作用の研究では、プランニングの弱さが明らかとなった。そこで、仲間との相互作用を支援する方法を検証した研究では、造形表現課題を用いて、仲間との相互作用でプランニングを促す支援を検証した。作品構想の話し合いの際に表現方略の視覚的手がかりを提示し、それを操作しながらプランニングを行うように導いた結果、事後制作における表現方略の向上と構成要素数の増加が認められた。これは、互いの発案に興味・関心を持ち、その共有によって表現可能性を広げる方略を習得できたからだと推察された。
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