今年度の研究活動は、①一般の学生、障害学生、発達困難を有する学生がコロナ禍でどのように過ごしてきたか、また、どのような支援を必要としたかについて障害のある当事者学生と検討し学会企画で発表した。②日本の私立大学における発達障害・ボーダーライン・軽度知的障害学生の実態と動向、アメリカ・カナダの大学での知的障害者大学プログラムの実態と動向、スウェーデンの国民大学の障害者向けプログラム等について、先行研究、WEBの情報から検討を行った。③学生支援に対する教員の支援ニーズが多い私立大学での支援体制構築の取り組みについて日本学生支援機構令和4年度「障害学生支援理解・啓発セミナー」において「東海学院大学における障害等のある学生の支援体制の構築の紹介」として事例発表を行った。事例発表では障害学生支援システム構築の紹介、学生支援コーディネーターによる合理的配慮の支援及び障害学生の社会移行に対する長期的な発達支援者として伴走的支援の重要性について述べた。発達障害・ボーダーライン・軽度知的障害学生の支援について海外の動向から指摘した。④スウェーデンにおける「障害・疾病・精神疾患・摂食障害・非行・コロナ禍」等に伴う発達困難を有する子どもの特別ケアに関する調査研究」に同行し、スウェーデンにおける伝統的な生涯学習の一つである国民大学の訪問実態調査を行った。現在、国民大学での18歳以降の障害等のある青年の自律的、自主的な学びについて障害者向けコースに参加している当事者からの聞き取り調査内容を検討している。スウェーデンの国民大学の動向と調査のまとめを今後学会で発表する予定である。⑤2022年日本教育学会、日本特殊教育学会等での発表、「発達困難を有し生きづらさを抱える学生」に関する論文をはじめ海外のコロナ禍における子どもの困難やメンタルヘルスの動向に関する論文執筆を行った。
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