研究課題/領域番号 |
18K02804
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
谷 晋二 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20368426)
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研究分担者 |
三田村 仰 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20709563)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アクセプタンス&コミットメント・セラピー / ASD / ACT Matrix / 就労支援 / 修学支援 |
研究実績の概要 |
ASD者へのアクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づく心理教育プログラムを開発し、その有用性を検討することが本研究の目的である。すでに開発されている欧米でのプログラムを日本の文化や日本語の特性に合わせて修正、変容していく必要がある。そのため2018年度では、実施計画に従い研究協力者とともにACT Matrixを使ったASD者への症例研究を実施した。 ACT Matrixの開発者の一人であるBenjyamin Shoendorffe氏を2018年9月に日本に迎えスーパーバイズを受けた。その後もスカイプを用いた継続的なスーパーバーズを氏から受けることができた。研究代表者の谷と共同研究者の三田村はBenjyamin氏のワークショップに参加し、ACT Matrixのスキルを学習した。 研究代表者と研究協力者は、各自の臨床フィールドで症例研究を行った。定期的にスカイプを通じて症例検討会を実施した。症例検討会の結果を、2019年8月に開催される日本認知・行動療法学会の自主シンポジウムにおいて公表する予定である。また、6月にアイルランド・ダブリンで開催されるACBS 17thにおいて、研究代表者の谷のポスター発表が採択された。発表のタイトルは "Case Presentation; ACT Matrix for a ASD"である。症例研究に基づいてグループでの実施のためのテキスト、教材の第1版を作成した。グループデザインでの実証的な研究を2019年度に実施するために、現在立命館大学の研究倫理委員会に倫理申請を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度において3名の研究協力者とともに、症例研究を実施し、症例研究会を通してACT Matrixの日本人ASD者への適用の具体について検討することができた。また、Benjyamin先生からの直接のスーパーバーズを受けることができた。加えて、グループデザインを用いた実証的な研究を行うための、教材、テキストの第1版の作成ができ、倫理審査を受けることができた。 以上より順調に研究が進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、症例研究を継続し、症例研究会を引き続き実施する。2019年6月にダブリンでのACBS17thでポスター発表をし、海外の研究者との意見交換を行い、9月には国内での学会で自主シンポジウムを開催し、国内の研究者との意見交換を行いプログラムの修正を行う。2019年9月にBenjyamin氏を迎えて症例研究会、スーパーバイズを受ける予定である。8月から9月にかけて、グループでのACT Matrixを用いたASD者への心理教育プログラムを実施する予定である。11月からは2020年の国際学会での発表に備えてデータを整理し、論文執筆の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はデータ分析をアルバイトを雇用せずに行うことができたため人件費に残金が出たが、2019年度はグループデザインの実験を予定しているので、そのためのデータ整理、データ入力の人件費として使用する予定である。
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備考 |
https://cbs-act.com/shinjitani_lab/
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