アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)をASDを持つ人に適用するためのプログラムの開発とその有効性を検討することが研究の目的である。ACT Matrixと呼ばれるプロトコルをもとに日本人に対応させたプログラムを開発した。本年度は作成した教材、プログラムを実施し、有効性を検討する研究を行なった。対面でのグループワーク、症例研究は実施できなくなり、すべての研究をオンラインで実施した。オンラインで利用できる教材として、アニメーションを使ったユーチューブビデオを作成した。作成したビデオは一般公開している。プログラムの有効性を検討した結果、プログラム全体の主観的受け入れ度は高く、参加者のほとんどがプログラムが有効であったと評価していた。また、メンタルヘルス上の課題を抱えている参加者の場合では、プログラムがメンタルヘルスの改善に貢献することが示された。学術的な研究報告会を2回実施した。得られた研究成果を一般向けに報告する報告会をオンラインで実施した。2回の研究報告会では、それぞれ約300名の参加者があった。 研究費は、研究メンバーの学会参加費、国際学会への参加費用、グループSVのための費用、データ収集のための質問紙の購入、オンラインでの研究実施に必要な機材、教材、資料を作成するためのソフトウェア(オンラインライセンス)の契約に用いた。研究成果について、国内学会でシンポジウムを実施し、2回の研究発表会を実施し、それぞれ約300名の参加者があった(研究成果)。ACTの国際学会であるACBS、ASDの行動分析の適用に関する国際学会(ABAI Autism Conference)においてポスター発表を行った。研究ホームページで、研究成果を一般向けに説明するページを作成し、公開した。現在本研究の学術論文を国際学会誌に投稿中である。
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