研究課題/領域番号 |
18K02806
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
北川 貴章 文教大学, 教育学部, 准教授 (60780674)
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研究分担者 |
安藤 隆男 筑波大学, 人間系, 教授 (20251861) [辞退]
内海 友加利 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (00845232)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 授業研究 / 教師の意思決定 / 自立活動の個別指導 / 身体の動き / 特別支援学校(肢体不自由) / 若手教師 / 理論・技法 |
研究実績の概要 |
自立活動の身体の動きの指導を中心に取り扱う個別指導場面を想定した、授業研究プログラムの開発に取り組んだ。本授業研究プログラムは、意思決定論を参考に、専門性を有する同僚教師や外部専門家が、若手教師に寄り添って対面で行う。外部専門家を活用する場合、時間調整等に難航することが予想され、オンラインの活用も試行した。 研究最終年度の2023年度は、2019年度に対面で実施した3事例、2022年度にオンラインを活用して試行した1事例の研究データの子細な分析を行った。対面実施の3事例は、専門性を有する校内同僚教師や外部専門家が、児童生徒の身体が動く感覚を若手教師と共体験しながら、授業の計画段階と実施段階で生じたズレへの対応策を助言し、若手教師の意思決定をサポートしながら授業改善へと導くことができた。オンライン実施の1事例は、資料を事前共有することで身体への触れ方等は助言できたが、手触りなどを共体験することが難しく、オンラインを活用するタイミングが課題となった。調査研究の結果からも、自立活動の個別指導場面において、児童生徒の様子を適宜把握しながら主体的な学びへと導く、指導者自らの意思決定を促進させるためには、理論や技法の習熟度を高めることの重要性が示唆された。本授業研究プログラムにおいても、児童生徒の身体を動かす感覚を共体験する過程が若手教師の理論・技法の習熟へと導くには重要であり、オンラインを活用する場合は、対面での共体験後に導入することなどが考えられる。また、若手教師が助言内容を理解し、自己のものへとしていく過程で、一人で取り組む時間の確保が必要な段階もあり、各STEPの時間的間隔についても状況に合わせて調整する必要があると考える。 今後は、多様な条件の若手教師を対象にデータを長期的スパンで収集しながら分析するとともに、必要に応じてプログラムの改良をすすめ、国内外へ発信していく。
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