• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

教科等のねらいの達成を目指した交流及び共同学習の実践方法に関する開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02807
研究機関独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

研究代表者

齊藤 由美子  独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 総括研究員 (90443332)

研究分担者 小澤 至賢  独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 主任研究員 (60419942)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード交流及び共同学習 / 教科等のねらいの達成 / インクルーシブ教育システム / 教育課程の接続 / チームとしての学校
研究実績の概要

交流及び共同学習は、障害のある子どもと障害のない子どもがともに学ぶ機会であり、障害者基本法に法的根拠を有する教育施策として推進されている。本研究は、小学校・中学校の特別支援学級の子どもが通常の学級で学ぶ交流及び共同学習の実践について、主に教科等のねらいを達成する「共同学習」の側面について、すべての子どもの学びを保障する実践方法やその条件等を明らかにし、具体的な提案を行うことを目的としている。
研究1年目は、①国内における交流及び共同学習の実践事例に関する情報収集、②校内のすべての子どもの学びを保障するための学校づくりのモデルの検討、③教科等のねらいの達成をめざした交流及び共同学習を実施するにあたりポイントを整理したチェックリスト(試案)の作成を行った。具体的には、①では、国内における校内の交流及び共同学習の好事例を収集し、教科等のねらいの達成に焦点をあてた分析を行った。②では、米国のMulti-Tiered Systems of Supports(MTSS)の考え方を参考に、日本において、学校内のすべての子どもの学びを保障する学校づくりのモデルを検討した。また、交流及び共同学習の取り組みを、その学校づくりのモデルに理論的に位置づけることができた。③では、学校づくりのモデルに基づき、教科等のねらいの達成をめざした交流及び共同学習を実施するにあたりポイントを整理したチェックリスト(試案)を作成することができた。
これらの実績は、障害理解などの「交流」の側面について多くを語られがちな交流及び共同学習の実践について、学校内のすべての子どもの学びを保障する取り組みとして位置づけるものであり、インクルーシブ教育システムの充実という視点からも、意義のある研究実績であるといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究では、1年目の研究計画として予定していた、①国内における交流及び共同学習の実践事例に関する情報収集、②校内のすべての子どもの学びを保障するための学校づくりのモデルの検討、③教科等のねらいの達成をめざした交流及び共同学習を実施するにあたりポイントを整理したチェックリスト(試案)の作成を行うことができた。さらに、検討した学校づくりのモデル、作成したチェックリストの試案、交流及び共同学習の好事例の検証については、特殊教育学会での自主シンポジウム、国立特別新教育総合研究所が実施する研修会やセミナー、教員向けの月刊雑誌の特集等において公表を行った。このため、本研究はおおむね順調に進展していると評価する。
ただし、年度当初に予定していた海外の先進的な取り組み、具体的には、米国におけるMulti-Tiered Systems of Supports(MTSS)の実際的な取り組みに関する実地調査については、先方の予定と折り合わず、初年度に実施できなかった。研究2年目の早い時期(4月)に、米国における実地調査を行うこととする。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、おおむね当初計画通りに推進する予定である。2年目には、以下の研究内容を予定している。
1.米国におけるMulti-Tiered Systems of Supports(MTSS)の実際的な取り組みに関する実地調査を行う。カンザス州のMTSSチームによる取り組み、カンザス大学の研究者による取り組み等について調査する。
2.小・中学校における交流及び共同学習の実施状況についての全国調査として、全国の市区町村教育委員会(1740自治体)を対象に交流及び共同学習の実施状況に関するアンケート調査を実施する。調査項目は上述の交流及び共同学習チェックリスト(試案)を基に作成する。教育委員会には、管内の学校の中から、基礎的環境整備が充実している特別支援学級設置校(小学校又は中学校)を選んでいただき、その学校の状況についてのアンケート記入を依頼する。
3.フォーカス・グループインタビューの実施として、上記の全国調査の結果、充実した交流及び共同学習の取り組みを行っている教員とその学校を支える教育委員会指導主事を抽出し、教員グループ、指導主事グループ(各10名程度)におけるフォーカス・グループインタビューを実施する。焦点を絞った協議により課題や工夫等について情報収集するとともに、学校づくりのモデル(試案)や交流及び共同学習チェックリスト(試案)の活用やその有用性について協議する。
3年目には、フォーカスグループインタビューによって得られたデータの質的分析を行い、交流及び共同学習のガイドブックを作成する予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度当初に予定をしていた米国への訪問調査について、先方と日程の折り合いがつかなかったため、年度内に実施できなかった。次年度使用額については、次年度4月に研究代表者と分担者の2名で、米国への訪問調査を実施するための予算とする。
また、翌年度分として請求した額については、研究計画どおりに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 居住地校交流の充実をめざした実践のポイントの提案~実践事例の分析を通して~2019

    • 著者名/発表者名
      遠藤麻衣子 齊藤由美子
    • 雑誌名

      国立特別支援教育総合研究所研究紀要

      巻: 46 ページ: 69-83

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi