研究課題/領域番号 |
18K02808
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
長谷川 桜子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 教育福祉学部, 主任研究員 (60326816)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 医学教育 / 発達の障害 / 医療 / インクルージョン / 計画的行動理論 |
研究実績の概要 |
心身の発達に障害のある人(障害児(者))の地域生活やインクルーシブ社会の実現には、すべての医療者が障害児(者)を障害のない人と分け隔てなく診療することが重要である。障害児(者)を分け隔てなく診療する医師の育成に向けた教育の効果を検討した。 意図的な行動の生起を説明・予測する『計画的行動理論』(Ajzen, 1991)に基づいて障害児者を分け隔てなく診療する行動に関する質問紙を作成し、A大学医学科1年生が医療型障害児入所施設や特別支援学校等で行う早期体験実習の事前研修、その事後研修、および1週間後の「医学概論」の授業における重症心身障害児と家族による講義後に、学年全員に記入を依頼した。結果、事前実習時に比べ医学概論後に、障害児(者)を分け隔てなく診療する行動に対する「知覚的行動統制感」が統計的に有意に上昇していることを確認した。この変化は、障害児(者)を診療することに関する学生の実行可能感が高まり、将来に分け隔てなく診療する行動が生起する可能性が高まったことを意味している。今後、過去に同様の教育を受けた学年と受けていない学年の知覚的行動統制感を比較する等して、効果の持続やその後の教育の効果に対する影響等を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高学年での臨床実習の効果について初年度から追跡調査を行う計画だったが、1年次での早期体験実習の効果の検討を計画に加えたため、初年度は追跡調査を実施しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
所属の組織再編・建物移転の直後のため、予期できないものを含め様々な困難が生じる可能性があるが、共同研究者やその他関係者に適時相談しながら進捗するよう努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画変更にともない延期した卒業生調査の費用が次年度使用額となった。平成31年度に実施する。
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