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2018 年度 実施状況報告書

生活課題解決能力を育成する授業改善に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02812
研究機関茨城大学

研究代表者

野中 美津枝  茨城大学, 教育学部, 教授 (90522029)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード授業研究 / 授業デザイン / アクティビティ / 授業分析 / 家庭科
研究実績の概要

本研究では、生活課題解決能力を育成する「対話的で深い学び」になる授業研究に焦点を当て、1)ロールプレイングを導入した知識構成型ジグソー法による問題解決学習モデルの構築、2)アクティビティに応じた効果的な表現方法の整理、3)「深い学び」を測る授業分析の手法と授業改善モデルの作成を目指し、実証的に検証することを目的としている。
研究の初年度として、1)ロールプレイングを導入した知識構成型ジグソー法による問題解決学習モデルを構築するために、家庭科教員と研究者が共同で消費生活、家族と社会とのかかわりなど様々な生活課題に対して教材を開発して、授業実践・授業分析・授業評価・授業改善を繰り返して授業研究に取り組んでいる。第1弾は、新学習指導要領の高校家庭科で取り上げられているリスク管理に焦点を絞って、家族が経済的危機に直面した問題を取り上げ、エキスパート資料の作成に取り組んだ。
また、これまでの研究成果として、生活課題解決能力を育成する授業デザインの実証的研究をまとめ、H30年度科研費補助金「研究成果公開促進費」によって著書として刊行した。さらに、消費者市民を育成するための「すごろく」教材を開発して、中学校家庭科の授業実践をして授業効果を分析した結果を論文にまとめ、日本消費者教育学会「消費者教育」に掲載された。開発した「すごろく」は、4人グループで「生産者」「製造者」「販売者」「消費者」の役割になってプレイする。ロールプレイングで「すごろく」をすることは、当事者の立場で問題を捉えることができ、さらに他の立場の思いを理解する効果があった。そして、「すごろく」後に4者の立場で話し合う活動は、消費者問題の構造を共有化し、対話的で深い学びにつながっていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生活課題解決能力を育成する「対話的で深い学び」になるように開発した「ロールプレイングを導入した知識構成型ジグソー法による問題解決学習」については、共同研究グループメンバーの高校で授業実践し、授業改善を繰り返した。そして、日本家庭科教育学会の第61回全国大会におけるラウンドテーブルで、研究成果を報告して模擬授業を実施し、好評であった。
また、授業開発の段階で、実験的に課題の提示方法(教員が提示、生徒が発見)で比較した2つの授業実践を分析した結果を日本家庭科教育学会2018年度例会で口頭発表した。
H30年度科研費補助金「研究成果公開促進費」によって刊行した著書「生活課題解決能力を育成する授業デザインの実証的研究-授業評価・改善モデル」に、H30年度多くの時間を割いたが、授業研究に生かされた。

今後の研究の推進方策

日本家庭科教育学会2018年度例会で口頭発表した「高校家庭科におけるロールプレイングを導入した知識構成型ジグソー法」の第1弾「リスク管理編」の研究成果を論文にまとめて学会誌へ投稿する。
また、授業開発について、第2弾として「介護編」、第3弾として「子育て編」の授業開発を併行して検討している。完成に向けて授業研究を進め、授業実践して授業効果についても分析を予定している。最終的には、開発した授業教材を著書としてまとめ、広く教員への汎用を目指している。
また、生活課題解決能力を育成するアクティビティと効果的な表現方法についても研究に着手する。さらに、高校生の生活実態についても調査して、授業を通して生活課題解決能力の育成状況を実証的に検証していく。

次年度使用額が生じた理由

H30年度は、著書「生活課題解決能力を育成する授業デザインの実証的研究-授業評価・改善モデル」の刊行に時間を割き、授業分析や論文執筆が遅れたため、そのための経費が未使用となった。当該未使用額は、R1年度における研究室のディスクトップ型パソコンの購入に当てる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 消費者市民を育成する「すごろく」の開発と授業実践2018

    • 著者名/発表者名
      野中美津枝、高﨑 昌己
    • 雑誌名

      日本消費者教育学会「消費者教育」

      巻: 38 ページ: 79-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東京都立高等学校家庭科における班別学習(少人数編成授業)の経緯と実態調査2018

    • 著者名/発表者名
      野中美津枝、亀井佑子、新山みつえ、荒井きよみ、荒井智子、石島恵美子、真田智恵子、高橋礼子、吉野淳子
    • 雑誌名

      日本家庭科教育学会誌

      巻: 61-1 ページ: 12-22

    • DOI

      https://doi.org/10.11549/jjahee.61.1_12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ロールプレイングを導入した知識構成型ジグソー法の高校家庭科授業の開発2018

    • 著者名/発表者名
      野中 美津枝、坪内恭子、石引公美、神澤志乃、小清水貴子、小林久美、齋藤美重子、齋藤和可子、新山みつ枝、村上睦美、吉野淳子
    • 学会等名
      日本家庭科教育学会2018年度例会
  • [図書] 生活課題解決能力を育成する授業デザインの実証的研究2019

    • 著者名/発表者名
      野中美津枝
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978-4-571-10187-8
  • [図書] 小学校家庭科教育法2018

    • 著者名/発表者名
      大竹美登利,鈴木真由子、綿引伴子、著者:石垣和恵,小野恭子、表真美,中山節子,野中美津枝,萬羽郁子,星野洋美
    • 総ページ数
      181
    • 出版者
      建帛社
    • ISBN
      978-4-7679-2114-3

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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