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2018 年度 実施状況報告書

盲聾者と健常者の双方向情報交換を可能とする障害補償システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K02813
研究機関筑波技術大学

研究代表者

大武 信之  筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (10223851)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード盲聾者 / 点字 / 手話 / 点訳 / 墨訳 / 音声認識エンジン
研究実績の概要

点字と手話の知識のない人が、盲聾者とコミュニケーションをとるため、双方の情報授受が容易にできるツールをプロトタイプとして開発した。本ツールにおいて、盲聾者の情報発信は、点字を墨字(晴眼者が読める文字)にし健常者へ伝え、盲聾者の情報受信は、健常者の音声情報を点字にして盲聾者が授受する形式をとっている。情報交換の手段として、盲聾者と健常者双方の情報授受は、手話を使うことなく、点字を介して行われるが、健常者は点字の知識を必要とせず使用できるシステムである。
健常者から盲聾者への情報伝達としては、健常者が発する発話を音声認識エンジンにより漢字仮名交じり文にし、さらに点訳することで点字として伝える。音声認識エンジンは、フリーソフトウェアであるJuliusと、使用許諾権を得ているAmiVoiceを使用した。2つの音声認識エンジンを使用したのは、ワードプロセッサで使用している仮名漢字変換ソフトウェアであるフロント・エンジン・プロセッサ(FEP)が、好みのものを自由に使い分けられるように設計されているのと同じように、音声認識エンジンを使い分けられるようにするためである。
盲聾者から健常者への情報伝達としては、点字を墨字に変換する墨訳ソフトウェアとして、日本語点字・英語点字・数式点字の3種類を墨字に変換する形で実現した。墨訳ソフトウェアは、日本語および英語に関して、有償・無償のソフトウェアが存在するが、数式点字を墨字に変換するソフトウェアはないため、今回開発した数式点字の墨訳ソフトウェアは、今回の利用環境ばかりではなく、点訳ボランティアが点訳校正時に容易に使用できるソフトウェアとして有用なツールとなっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記項目「研究実績の概要」で述べた内容に沿って、電子情報通信学会(2018年10月)において、タイトル「点字による盲聾者のためのコミュニケーション・ツール開発」で発表を行っている。開発したツールはプロトタイプではあるが、上述の機能は全て備わっているため、進捗状況としては、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今回開発したツールとしての機能は上述の通りではあるが、多少使い勝手に難がある。想定している利用者である盲聾者と健常者にとって使いにくいものであってはならない。また、発話内容が多い/早いといった場合、本システムでは処理能力を超え解析が出来なくなる場合がある。これら問題点を今後の課題として改良していかなくてはならない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 点字による盲聾者のためのコミュニケーション・ツール開発2018

    • 著者名/発表者名
      クロイヒヴィーク・ズザンネ、仲 正幸、大武信之
    • 雑誌名

      電子情報通信学会、信学技報

      巻: 42 ページ: 23-28

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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