研究課題/領域番号 |
18K02818
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
今井 亜湖 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50367083)
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研究分担者 |
中村 琢 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377943)
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
坂本 一也 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00320325)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国人児童生徒 / JSL児童生徒 / 教育支援 / 教員養成プログラム / ポータルサイト開発 |
研究実績の概要 |
2019年度当初に掲げた研究目標は,教科指導における日本語指導が必要な児童生徒の教育支援について学ぶ教員養成プログラムを開発することである. 上記プログラム開発のために,日本語指導が必要な子どもたちに対して支援活動を行っている適応指導員を対象としたインタビュー調査を,1年目の2019年度末から2020年度はじめにかけて行い,2019年度にその調査結果を分析した.調査対象者は,タガログ語担当3名,ポルトガル語担当3名,計6名である.この結果より,学習者を取り巻くコミュニティーの文化や思想が,学習者の勉強に対する意欲を左右しており,勉強をしなくても働くことができるという意識を持っている子どもたちに対する教育支援の難しさを指摘する回答が多かった.この調査結果と,2017年度に実施した教育委員会担当者を対象とした調査の結果をふまえ,日本語指導が必要な子どもたちを3つのタイプに分けて,その教育支援について検討する必要があることを明らかにした(今井・坂本 2019). 本研究で開発する教員養成プログラムでは,上記のタイプのうち,(a)学習内容について理解できる基礎学力はあるが,日本語がわからないために支援が必要なタイプ,(b)学習習慣がついておらず,日本語もわからないために支援が必要なタイプ,に注目し,教科指導においてどのような支援が必要なのかを学べる教員養成プログラムを開発することにした. そこで,(a)の学習者の教育支援について具体化するために,小学1年生以降に来日し,日本語指導を受けた経験のある高校生を対象とするインタビュー調査の計画を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教員養成プログラムで扱う,教科指導における日本語指導が必要な児童生徒の教育支援を具体化するために計画した,日本語指導を受けた経験のある高校生を対象とするインタビュー調査がCOVID-19の影響で延期となった.そのため,タイプ(a)の教育支援に関する教員養成プログラムを年度内に完成させる計画を立てていたが,完成させることができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響により,対面での調査は難しい状況が続くと考え,オンラインでの調査を計画・実施する予定である.これにより完成が遅れている教員養成プログラムを2020年度内に完成し,2020年度中に試行まではできるように研究計画を見直す. また「教科指導における外国人児童生徒の教育支援のためのポータルサイトの開発」については2020年度にα版を完成させるための下準備は現在完了しているため,教員養成プログラムの開発と同時並行で開発をすすめていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度後半に計画していた調査研究がCOVID-19の影響により全て中止になったため,予算と使用状況に差が生じている.2018年度および2019年度の研究活動により,本研究で開発する予定のポータルサイトで提供するコンテンツについて,当初は静止画を中心に提供することを考えていたが,ユーザビリティの観点より動画を中心に提供する必要が生じてきたため,使用できなかった調査研究に関連する経費はコンテンツ開発およびポータルサイトの開発の経費として使用する予定である.
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