研究課題/領域番号 |
18K02821
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
寺嶋 浩介 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (30367932)
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研究分担者 |
藤井 佑介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20710833)
時任 隼平 関西学院大学, 高等教育推進センター, 准教授 (20713134)
泰山 裕 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90748899)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 研修転移 / 集合研修 / 教師教育 / 教員研修 |
研究実績の概要 |
小学校から高等学校の教師を対象として,これまで,集合研修を受けた教師がその研修で得られた成果を,校内でどのように活かしているのか(研修転移)について調査をした。具体的には,研究組織の各メンバーが,それぞれ複数名の教員にインタビューをし,集合研修についてのイメージや,研修転移についてのこれまでの経験について確認するとともに,その仮モデルを生成した。また,インタビューをもとに,質問紙調査を作成した。質問紙調査においては,「当該教員研修で得られた学びをどのように校内等への普及に活かしているか」「当該教員研修で得られた学びを,自身でどのように発展させているか」という点を中心にたずねた。その結果は現在分析中であるが,自身で「効果的であった」ととらえている研修は,「強制されるよりも任意で受講した研修」がやや多い傾向にあるということ,「自らの資質向上のため」に受講した研修が多いということがわかった。具体的な研修転移の方策としては,「研修で学んだことを自身の学校でやってみた」「研修内容について,自身の取り組みや学校の現状とつなげて振り返った」「研修内容に関連する情報をさらに調べた」「研修で学んだことについて,個人的に誰かに話してみた」などの取り組みがあった。一方,「研修で学んだことについて,校内研修や勉強会を通して他の人に伝えた」や「研修で学んだことについて,他の誰かとともに取り組んでみた」など,他者とのネットワークを意識するような取り組みは少ないことがわかった。加えて,こうした取り組みを実施するにあたり,職場等で誰かから支援を受けることが少なかったことが明らかとなった。 研究成果としては,これまで研究組織が行ってきた集合研修についての評価から,研修転移に関する課題をいくつか抽出したものを発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度のうちに調査分析まで実施し,アクションプランシートの開発に関する課題を明確にする予定であったが,教員研修研究のテーマに関して直接的な先行研究が少ないこともあり,調査方法をインタビュー調査の後に質問紙調査を行うという二段階の調査の形式に組み替えた。そのため,調査自体に時間を要し,深い分析までには至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
調査の結果については,日本教育工学会等,関連学会で発表する。 また,調査の結果に基づき,アクションプランシートを開発する。その際に開発するアクションプランシートは,以下のものを想定している。 ・A3用紙2枚程度 ・当該集合研修において得られた成果を簡便にまとめるパート,それを校内でどのように活かすかを考える目標設計パート,その活動の中でどのように自身を成長させることができるかを経験学習の視点から考えるキャリアパートから成る。 次年度末から再来年度はじめにかけて,次年度に集合研修を経験した教師に,アクションプランシートに記入をしてもらう。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終的に人件費や消耗品を調整した結果,少し余った。残金は,次年度の消耗品の購入の一部に組み込みたい。
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