研究課題/領域番号 |
18K02822
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柏木 治美 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (60343349)
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研究分担者 |
康 敏 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60290425)
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スピーキング / 音声認識 / CGキャラクタ / 外国語運用能力 / 学習支援 |
研究実績の概要 |
2020年度は、問題情報作成機能およびCGキャラクタを取り入れた問題出題機能部分を含めてシステムの運用を確認した。さらに、学習者のスピーキングデータについて、学習者の音声を評価する基準の1つとして音声認識を取り入れるため、昨年度に試作しWindowsシステムが持つ音声認識機能をシステムに組み込んでシステムを完成させた。完成したシステムについて、音声認識機能も含めて運用した結果、正常に運用できることを確認した。また、開発したシステムについて実験を行い、80%以上の参加者がシステムについて肯定的に評価した。
学習者の解答状況分析については、正解率とともに、口頭で解答する場合の学習者側の難度評価のために、5段階で主観的に評価することを検討した。単語レベルでは動詞を、さらに単文レベルでの英文を、実験参加者に主観的に評価してもらい、5段階評価に関する平均や標準偏差が、正解率だけでは把握できない学習者の状況や個々の学習者による違いを把握する1つと手だてとなる感触を得た。
音声認識機能に対する実験により、/m/と/n/や、単語の語尾が認識されにくいことがわかった。また、音声認識に関する関連研究として、「ポケトーク」を使って参加者の英文音声を認識した結果、参加者の70%以上がポケトークの使用を肯定的に評価するとともに、90%以上が自身の発音を意識したと答えていた。参加者は意図したものと異なった認識結果が出た場合に、自身の発音が実際にはどのように認識される(聞こえる)のかを知ることができ、自身の発音向上への手だてを得ることができた。 また、音声認識機能の使用と参加者の緊張や発音に対する苦手意識との間に相関関係は見られず、参加者の多くが音声認識の使用を肯定的に捉えていた。学習意欲にマイナスの影響が出ることに注意しながら、音声認識機能をスピーキング学習に取り入れる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システムの完成と運用実験、主観的な難度評価による分析と評価を実施し、研究は全体においておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は全体においておおむね順調に進展してきているが、コロナウイルス感染拡大により、延期・中止となった国際会議発表等で研究発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は全体においておおむね順調に進展してきているが、コロナウイルス感染拡大により、延期・中止となった国際会議発表等で研究発表を行う予定である。
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