研究課題/領域番号 |
18K02822
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
柏木 治美 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (60343349)
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研究分担者 |
康 敏 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60290425)
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スピーキング / 音声認識 / 学習者評価 / 外国語運用能力 |
研究実績の概要 |
本研究では、学習者データを活用した外国語スピーキングに関する学習支援システムの開発に取り組んだ。ここでは、以下の3点:①簡易に問題の追加作成が行える問題情報作成、②学習者データをもとにした解答の傾向や特性の分析、③CGキャラクタを取り入れた弱点問題出題、に重点を置いて開発を行った。①では、出題問題の問題番号、英文、日本文、キーとなる語句表現等の項目を準備し、教師側がcsvファイルに問題情報を入力することで、出題する問題の関連情報を作成編集可能にした。②では、学習者の解答状況を視覚的に把握しやすくするため、場面別の問題英文一覧リストを準備し、正解率に応じて色分けして結果を提示することを提案した。③では、①で作成した問題情報を取得し、CGキャラクタにより問題が出題される機構を開発した。また、個々の学習者に応じた出題や練習のバリエーションを増やすため、固定の問題出題だけでなく、キーボードやRFID (Radio Frequency Identification) 等の外部デバイスにより、動的に出題する問題を変更する部分を開発し、1つの問題から問題の流れを選択することが可能になった。開発したシステムを用いて運用実験を行った結果、学習者は以下のような表現が含まれた英文を難しく評価していることがわかった。 ・使役動詞haveを使った「have+目的語+原形不定詞」や「have+目的語+過去分詞」が含まれた英文 ・人以外が主語になる英文 ・currently、completely等の副詞 学習者はこれらの英文表現や構造を言語知識として理解できているが、スムーズに運用するまでには至っていないことが示唆された。上記の結果から、本システムを用いることで、具体的な語句表現、文法、構文等について、どういった項目ができている・できていないか学習者の状況を把握することが期待できることがわかった。
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