研究課題/領域番号 |
18K02838
|
研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
岡部 幸徳 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (00465486)
|
研究分担者 |
中谷 常二 近畿大学, 経営学部, 教授 (70398501)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 技術者倫理 / 経営倫理 / 統合教育プログラム |
研究実績の概要 |
先ず、2020年度においては新型コロナウィルスパンデミックの影響で当初計画を大きく変更せざるを得なかったことを記述する。その上で、以下の研究成果を報告する。 国際的共通カリキュラム及びケースマテリアルの作成を行い、日本国内における教育機関での試行実施を行った。具体的には金沢工業大学大学院生で航空システム工学を専門とする遠藤菜央氏との共同制作による「ボーイング737MAXの開発とその墜落事故について」の事例研究を行った。そして本研究課題の核である「技術者倫理と経営倫理の統合教育プログラム」の柱となるケースメソッド教材の開発を行った。その結果、新ケース教材「宇宙エレベータ」を制作できた。この新ケース教材「宇宙エレベータ」は2020年度には帝京平成大学「企業倫理論」で試行され、研究協力企業「大阪ガス株式会社」にも提供した。さらに本ケースの英語版を作成し英国、蘭国の共同研究者と共有し授業にて使用後、討論内容の定性定量的分析を行う予定であったが、新型コロナウィルスパンデミックにより2020年3月以降は海外研究協力者との連絡が迅速に進められる環境がなくなった為、当初計画の「技術者倫理と経営倫理の統合教育プログラム」の国際的展開は進められなかった。 2020年度の主な研究実績は「1.新教材「宇宙エレベータ」の開発」と「2.大学講義における試行」及び「3.研究協力企業における試行」である。世界的惨事が1年以上にわたり継続した環境下において、これらの実績を上げられたことは大いに意味があった。すなわち、大学授業の全てが「オンライン授業」へ移行したことで本研究の基本設計の再確認が必要になり、結果的に最終年度の延長によって、オンライン授業上での「統合教育プログラム」を、現在の大学教育環境によりよく適合させる機会を得られたからである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年3月から世界的に広がった新型コロナウィルスパンデミックによって、2020年に予定していた研究計画は全て中断を余儀なくされた。しかし、その中でも国際的に共有可能なケースメソッド用教材の作成が行えたのは1つの貴重な成果である。一方で今回のパンデミックにより本研究では「技術者倫理と経営倫理の統合教育プログラム」の開発と展開を研究課題としていることから、「オンライン授業」上において本プログラムをどのように展開すべきか、これまで開講されていた「技術者倫理」と「経営倫理」関連科目などの開講形態を把握しどのように「オンライン授業」にフィットさせるかを再検討する新たな課題が生まれた。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は新型コロナパンデミックの状況をにらみつつ、上記「オンライン授業」における「統合教育プログラム」の運用について検討する必要がある。その為に、科目としての「技術者倫理」、科目としての「経営倫理」関連科目が2、我が国の各大学において2020年度に開講されたのか?されなかったのか?開講されたのならば、開講形式はどのようなものであったか?つまり「対面式授業」と「オンライン授業」の開講比率などを調査する。具体的にはHP上に公開されている「技術者倫理」及び「経営倫理」関連科目のシラバスを調査分析する。これによって「オンライン授業」の開講形態についても「ライブ配信」「オンデマンド」などの開講形態が整理される。それによって、どのような「オンライン授業」が開講されたかがつまびらかになり、本研究の目指す「統合教育プログラム」の的確なオンライン化への適合を図ることが出来よう。また、新型コロナウィルスパンデミックの終息がなり、海外渡航が解禁され次第、2020年に新たに制作したケースメソッド教材「宇宙エレベータ」を用いた「統合教育プログラム」を英国レスター大学ビジネススクールのワグナーツカモト博士、同大工学部長兼数学部長のステファンギャレット教授と共に国際的展開を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスパンデミックによって、計画していた英国、蘭国での研究打ち合わせが行なえ無かった為である。これらは2021年にパンデミック終息次第、英国、蘭国共に打ち合わせを実施し、当該大学の授業にて実施する予定である。更に、本研究についての報告書作成とともに、この研究の成果の発表としての「統合教育プログラム用の国際的ケースメソッド教材集」や「新テキストの作成と発刊」に利用する予定である。
|