仮説1(学校現場において即時性と個別性が必要な教材の制作場面が多数存在する)については、2018年度~2021年度の免許更新講習で収集した教材や利用場面に加えて、2022年度・2023年度は授業や卒業研究での学生の作成事例の収集、小学生向けのプログラミング教育での「ものづくり教育」の一環としての適用事例の検討を行った。教員への3Dプリンタの貸し出しによる情報収集の代替策として、実践報告等の文献収集を行った。研究開始時に比べて3Dプリンタの高性能化により、制作する題材の幅も広がることを確認した。 仮説2(上記に類する教材の最低限の発想法と制作技能は、1日程度の研修で十分習得可能である)については、研修用テキストの教材例を追加するととも に、最初の1時間で制作する題材の工夫などの改善を行い、大学生への授業(1.5時間)において実践した。なお、3Dモデルの制作では、コンピュータ・ディスプレイを見ながらの立体造形は、奥行きの把握が難しいため、VRによる直感的な制作の試行も行っている。VR上での操作はダイナミックで直感的な3Dモデル制作ができるものの、ミリ単位の修正のような精密な制作は不向きであり課題も多いことがわかった。 仮説3(開発した研修カリキュラムは児童・生徒の「ものづくり」教育に応用可能である)については、2021年度・2023年度に鳴門教育大学主催の講座を継続的に小中学生を対象に実施し、カリキュラム内容の調整を行った。 また、カリキュラムの公開や制作物の共有については、整理を進めているものの、公開するまでには至っていない。
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