誰もが科学的な常識から地球環境を考えていくことで持続可能な社会が実現される。それを支えるために科学教育およびESD(持続可能な発展のための教育)があり、生涯的に渡って地域における科学的リテラシーを向上させていかねばならない。本研究ではESD への取り組みを、体験活動を通して生徒が各成長段階に応じて自発的に持続可能な社会づくりの担い手として育成される取り組みを支援するシステムを検討する。そのため地球環境保全に対する活動や教育実践を通して地域のESD 活動およびSDGs(持続可能な開発目標)の推進を支援できる教育システムのあり方を検討していく。 2020年度は、2019年に引き続き野外体験学習や野外観察を促進するシステムおよびそれを支える環境・文化財情報データの収集等について検討する。野外観測システムを活用した観測を実施し、実践活動を通してPISA型学力の涵養につながるコンテンツを検討した。さらに野外観測から得られた環境情報を分りやすく市民の方々に伝える手法を検討した。8月4日から6日まで金沢市・石川県立美術館広坂別館において、8月31日から9月14日まで野々市市・野々市市役所庁舎4階ギャラリーにおいてそれについて実践した。また、生涯に渡って持続可能な社会づくりに寄与するには、環境に加えて経済・社会・文化の面から多様な価値観を育んでいくことが必要で考え、そのため地域に古くからある環境に関わる情報として白山雪形観測画像を取得し、雪形の形成を示す基本データを収集した。この観測は継続させデータを蓄積していくことが重要であり、天候に左右されながらも貴重な画像データの収集が実践された。
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