研究課題/領域番号 |
18K02854
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
鮎澤 聡 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20400682)
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研究分担者 |
周防 佐知江 筑波技術大学, 保健科学部, 研究員 (00816077)
佐々木 健 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30320625)
福永 克己 筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (50455945)
白岩 伸子 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (80762202)
石崎 直人 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (90212878)
近藤 宏 筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (10464786)
成島 朋美 筑波技術大学, 保健科学部, 助教 (20827365)
櫻庭 陽 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (70387934)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚障害支援 / 情報障害支援 / タブレット端末 / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
本研究は、視覚障害学生の高等教育での、能動的学習におけるタブレット端末の優れた活用方法ならびに学習ツールの開発を目的としている。我々は、情報障害支援を大きく3つのカテゴリーに分けて研究を進めているが、以下にそのカテゴリー別に今年度実施した内容を述べる。 1)アクセス支援:一年次生へのタブレット端末の操作に関する講義は、本年はコロナ禍の関係で履修させることができなかった。次年度以降には再開する予定とする。 2)統合支援としての学習ツールの開発:視覚障害学生が能動的学習を可能とするための基本コンセプトを盛り込みタブレット端末ベースで動作する統合的学習ツールがほぼ完成した。すでに国家試験対策として活用しており、特に本年度はコロナ禍に伴い在学学習が強いられたため、学生の多くはこの学習ツールを用いて自己学習を進めた。本年度の国家試験合格率は100%を達成し、一定の成果があったものと考えている。また教員によるオンライン講義においても、講義内容を学習ツールに盛り込むことで学生がその資料を活用しやすくなるなど、効率的に講義を進めることが可能であった。 3)学生参加型講義の展開:今年度、臨床医学の講義においてPBL(Problem-Based Learning)チュートリアル型の講義を実施した。コロナ禍の影響で講義はオンラインとなったが、もともと対面においても学生の調べ物や資料の提示にタブレット端末を用いる予定であったものを、そのままオンラインに移行した形で実施することができた。PBLについては学生からも高い評価を得た。本PBLは視覚障害者教育の臨床医学教育において初の試みであったと思われる。また、これまでの準備でタブレット端末をすべての学生が使える体制が整っていたため、図らずもコロナ禍においてオンラインの講義を容易に実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
統合的学習ツールはほぼ完成させることができた。また、タブレット端末を活用したPBLチュートリアル型講義を実施することができた。また、今年度は図らずもコロナ禍においてタブレット端末の有用性をより確認することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
講義におけるタブレット端末の活用を推進する。特に東洋医学系の講義においてタブレット端末を活用したPBLチュートリアル講義の実施を目標とする。統合的学習ツールは国試対策にも継続的に活用していく。これらの過程でツールならびにその運用方法の改良・改善を進めていく。また、コロナ禍における遠隔での実技教育におけるタブレット端末の活用も検討していく。 本年度は最終年であるため、これまでの研究の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は学生数が少なかったことから物品費が少なく、またツール開発に費やしたためコストのかかる事柄が少なかった。次年度の学生の数に応じてタブレット端末を補充すると共に、コロナ禍という状況下での実践に伴い新たに必要となるICT機器の購入に予算を有効に活用していく。
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