研究課題
2020年度より小学校に於いてプログラミング教育が必修化されたが、この必修化の目的は単なるプログラミング技術の習得に留まらず、プログラミング的思考の育成を通して、将来の産業構造改革をも視野に入れた普遍的能力育成を目指している。本研究では、この新しい小学校プログラミング教育の現場に資することを目的として、平成30年度に文部科学省や経済産業省が唱えたICT人材に関する指針を基に、これからの時代に必要とされるIT能力の育成を視野に入れたコンピテンシーの開発を目標としている。この検討の過程に於いては、海外および国内での小学校におけるプログラミング教育に関する文献の分析を行い、ISTEInternational Society for Technology in Education)における標準についての情報等から、海外では既にICT教育からComputing教育へと向かう流れがある事、および指導者の育成と確保が問題となっていることなどを確認している。さらに本研究では小学校現場での実際の使用を想定した教材開発も視野に入れており、教育現場でプログラミングの必修化に際してどのような問題点が指摘されているかについては開発中の教材を基に実際の授業を行い、現場からの意見も得ることができた。コンピテンシーの開発と共に教材の開発も行ってきた本研究の成果を確認する上では、多くの小学校の教室に於いての活用が大切であるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により小学校現場での検証は、令和2年度に試験的に行ったモデル授業が限界であったため、研究の最終年度となる令和4年度には、本研究で提案するコンピテンシーの有効性の検証を目的として、全国の小学校教員と社会人を対象としてアンケート調査を実施し、その有効性の確認を行った。その結果を踏まえた本研究としての成果について論文発表の準備を進めている。
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日本情報経営学会誌
巻: 43巻1号 ページ: forthcomming
東京経大学会誌(経営学)
巻: 316号 ページ: 219-233