研究実績の概要 |
本年度は, (1)2変数関数描画ヴァーチャル・リアリティアプリ VVRPlot for smartphone に対する評価実験をおこなった. また, (2)博物館などの展示品の3Dモデルを実物大でみることのできる拡張現実(AR)アプリと(3)幼児向け交通ルール学習ARアプリを作成した. (1)は, 2020年に開発をおこなったアプリである. このアプリは, 微積分を学んでいる学生が数式を音声で入力し, その数式で表される曲面を見ることで, 曲面を直感的に理解するためのアプリである. このアプリを微積分を学んでいる大学1年生, 2年生に使用してもらい, 使用感や理解度などの評価実験をおこなった. この評価をもとに, 論文を作成中である. (2)は, スミソニアン博物館が公開している3Dモデルを, ARとして, スマートフォン上に表示するアプリである. このアプリの特徴は, 3Dを実物大で表示できることである. そのために予め大きさのわかっている物体を認識させ, 対比により3Dモデルの大きさを決定する. まだ, 本アプリは開発中であり, 公開, 評価実験はおこなえていない. (3) 幼児が自身で交通ルールを学ぶためのARアプリである. このアプリの特徴は, 平らな面を検出し, ARで交通ルールを学べる状態を表示することである. 幼児とその保護者に対し, アンケートを実施し, どの程度交通ルールを理解できたの評価実験をおこなった. その結果, 保護者からみると交通ルールを理解できるようなった幼児が多かった. 今後, 論文としてまとめていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は, まずVVRPlotの評価実験をおこない, 論文を執筆する予定であった. しかし, 2021年の春学期が遠隔講義となり, 大学での評価実験をおこなうことができなかった. 2021年の秋学期に一部対面となったため, 大学生を対象に評価実験をおこなうことができた. 今後, 本評価を元に, 論文を執筆予定である. また, 他のアプリでも評価実験を計画している. その後, 論文を執筆する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては, 次のことを行う予定である. (1) VVRPlotに関する論文を執筆し, 発表をおこなう. (2) 3Dデータを実物大で表示するアプリの開発を進め, 評価実験をおこない, 論文を執筆する. (3) 幼児向け交通安全アプリの評価実験をおこない, 論文を執筆する. (1)は, 昨年収集したデータを元に, 2022年に開催される国際会議に向けた論文を執筆中である. (2) は, まだアプリが完成していない. そのため, 学生と共にアプリを作成し, その後, 評価実験をおこなう. (3)は, アプリは完成している. 今後, 追加の評価実験をおこない, 論文を執筆する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に評価実験をおこない, 論文を執筆予定であったが, 春学期の殆どの講義が遠隔となり, 評価実験をおこなえなかった. そのため, 論文執筆が遅れ, 2021年中に論文投稿ができなかったため.
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