研究課題
本研究では、英語リーディング指導における音読の効果を認知的、脳科学的に明らかにすることが目的である。本代表者は、従来の研究において、多読の効果を認知的、脳科学的に調査し、長い時間をかけて簡単かつ多量の英文に触れることが効果的だと結論づけた。しかし、音読が効果を示せば、多読ほど時間をかけずにリーディング力の向上につながるのではないかと仮説をたてた。平成30年度は、第二言語習得、英語教育研究、音読、神経言語学の先行研究レビュー、学会等参加、学習教材の検討、課題(理解度測定用)の作成、音読読、黙読学習の期間や学習者への指示を検討した。特に、平成30年度、研究代表者は、米国サンフランシスコ州立大学での客員研究員の機会を得て、文献研究を進めた。令和2年度は、日本人大学生(20名:音読群10名、多読群10名)を対象に、リーディング学習時に音読を継続した後と黙読を継続した後の読解力、読解速度および脳活性状態、視線行動を調査した。結果、どちらの学習者群も脳活性状態は上級学習者に近づき、視線行動は、いずれの学習者も読解速度が上がった。視線の動きは、初級学習者がもっとも動きが変化し、上級学習者の特徴であるリズミカル、また、なめらかになったことが観測できた。追加実験を計画していたが、コロナウィースル感染拡大防止のため外出自粛令が出たため、実験は延期した。令和3年度は、令和2年度のデータを分析するとともに、実験環境が整えば追加実験を行い、インタビューを詳細に行う。
3: やや遅れている
当初の予定どおり、日本人学習者を対象に音読と多読の実験を開始したが、2月3月に実施する予定の実験が、コロナウィールス感染拡大防止のため、実験環境が整わず、1部の実験に留まってしまった。
令和2年は、平成30年に行った文献調査結果、令和元年実施した実験結果に基づき、データ分析、検討、考察をする。必要があれば、研究手法に検討を加えながら、音読および多読を参加者を募り実施し、語彙力、文法力、読解力、読解速度および脳活性状態、視線行動を調査しデータ分析をする。さらに、論文にまとめ、学会誌への投稿の準備をする。
人件費、謝金、その他について、前期は、自主参加で学習会を兼ねため人件費、謝金は発生しなかった。2月3月に実験を予定していたが、コロナウィールス感染拡大防止のため実験参加者が外出自粛となり実験を延期したため費用は発生しなかた。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Proceedings 2019 Joint International Conference on Science, Technology, Innovation, Mandaley
巻: 1 ページ: 702-705