研究課題/領域番号 |
18K02873
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英語教育 / リーディング指導 / 音読 / 脳科学 / 教育工学 |
研究実績の概要 |
本研究では、英語リーディング指導における音読の効果を認知的、脳科学的に明らかにすることが目的である。そのために、日本人大学生を対象に、リーディング学習時に音読を継続した後と黙読を継続した後の語彙力、文法力、読解力、読解速度および脳活性状態を調査し音読と黙読の学習効果を比較することである。本代表者は、これまで、多読の効果を認知的、脳科学的に調査し、長い時間をかけて簡単かつ多量の英文に触れることが効果的だと結論づけた。音読が効果を示せば、多読ほど時間をかけずにリーディング力の向上につながるのではないか。我が国では、2020年から小学校英語が教科化された。現在、小学校から大学まで連携して、読むことの効果的指導法を明らかにすることが求められている。各科目の学習指導要領を網羅するためには多くのことを限られた時間内に習得しなければならない。本研究結果から音読指導の効果が認知的にも脳科学的にも期待されれば、一つの英文をじっくり音読し脳内にインプットできることが示される。平成30年には、研究代表者は米国サンフランシスコ州立大学での客員研究員の機会を得て、第二言語習得、英語教育研究、音読、神経言語学において、学習教材の検討、課題(理解度測定用)の作成調査研究を進めた。令和元年および令和2年は、研究成果をもとに国内にてオンラインを通し行動調査研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度、研究代表者は、米国サンフランシスコ州立大学での客員研究員の機会を得て、第二言語習得、英語教育研究、音読、神経言語学の先行研究レビュー、学会等参加、学習教材の検討、課題(理解度測定用)の作成、音読、黙読学習の期間や学習者への指示を検討、学習者へのアンケート作成、実験参加者への同意書作成し、調査研究はおおむね順調にすすめた。令和元年には日本国内にてストラテジー調査を行い研究成果の一部は、米国CATESOL、ミャンマーでのISEEで成果報告をした。令和2年度は、コロナ感染拡大予防のため実験および成果発表がやや滞りがちであったが、オンラインによる行動調査に切り替え、実験はおおむね順調に遅れを取り戻した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年は、オンライン実験を続ける。1)TOEICを実施→実験参加者(岐阜聖徳学園大学生など)の習熟度が均質になるように音読群15名、黙読群15名のグループ分け 2)多読と音読学習にとりくむ。3)学習後にTOEICを再度行い学習成果を調査する。4)学会において成果発表をする(大学英語教育学会、教育工学研究会など)*実験が計画通りに進まない場合には、所属研究グループに検討を依頼し調整する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初英語学習者に多読、音読学習をしてもらい、脳計測を実施する予定であったが、コロナ感染拡大のため中止した。そのため、学習者自身の学習に留まり、脳計測のための謝金が必要なくなった。今年度は、オンラインによる学習者インタビューに変更し、オンライン用のパソコンおよびパソコン周辺機器(@30万)を購入することとする。また、データ分析補助としての謝金(@5万)、学会参加費(@40万)、その他47380円)を予定している。
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