研究課題/領域番号 |
18K02873
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 英語リーディング指導 / 音読 / 黙読 / 脳活性状態 |
研究実績の概要 |
本研究では、英語のリーディング指導における音読の効果を認知的、脳科学的に明らにすることが目的だった。そのために、当初は、TOEFLにより学習者を習熟度別に分け、計測をする予定であったが、コロナ感染対策のため、実験が予定通り進まなかった。そのために予定を変更して、過去に計測した大学生を対象にしたデータを収集して、傾向を探った。データについては、リーディング学習時に音読継続後と黙読継続後の語彙力、読解力、読解速度および脳活性状態である。具体的には、音読を続けた場合と黙読を続けた場合で、語彙力、読解力、読解速度、脳活性状態のデータである。また、新たなデータとしては、各自で、音読、多読を試みてもらった。その結果と過去のデータを比較して現在考察中である。先にも述べたが、予定を変更して、研究を進めているが、概ね変更後の予定通りに進んでいる。本研究から、音読学習後は、黙読学習後に比較して、語彙力、理解力、読解速度は向上する傾向にあることが明らかになった。ただ、一部学習者おいては、ペーパーテスト上の理解力に有意差が認められなくても、脳活性型の変化が認められた。つまり、脳活性型は、すべての学習者において、音読学習後は、言語野のみに血流が集中する上級学習者のパターンである選択的活性型を示した。このことから、音読による言語処理が円滑に進む助けとなることが示唆されれた。さらには、本結果から、従来の読書時間、読書量が、音読によって削減できる可能性が示唆できることを、2022年米国応用言語学会で中間報告をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に、音読を続けた場合と黙読を続けた場合で、語彙力、読解力、読解速度、脳活性状態の結果を分析し、中間結果を口頭発表をすることができた。内容としては、音読の効果が明らかになり、多読に比べて、読書時間、読書量が、音読によって削減できる可能性が示唆できた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度にまとめたデータを統計的に分析をして、インタビューデータと照合しながら、分析する。そして、総まとめとして、研究報告書を作成する。その後、学会発表および論文投稿の準備をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、研究計画をすべて実施し、結果分析を終え報告書、論文作成をする予定であったが、感染対策のため、実験予定が遅れ、報告書、論文作成まで至らなかった。本年度は、結果分析を完了し、報告書、論文作成をする予定である。
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