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2019 年度 実施状況報告書

一斉授業における360度画像利用のための授業支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K02874
研究機関大阪工業大学

研究代表者

矢野 浩二朗  大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (10612442)

研究分担者 村上 裕美  関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (80300284)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードVR / 教育 / 360度画像 / 授業支援システム / 学習 / ヘッドマウントディスプレイ
研究実績の概要

まず、昨年度の実施状況報告書で記した通り、使用するVRデバイスを、スマートフォン(iPod Touch)と段ボール製ゴーグルを組み合わせた簡易的なHMDから、いわゆるスタンドアロン型HMDデバイス(Oculus Go)に切り替え、アプリケーションをゼロから開発し直した。基本的な機能は昨年度作成したものと変わっていないが、スタンドアロン型デバイスで新たに利用可能になったコントローラを用いて、音声入力等の際の操作性を向上した。また、デバイス間の通信を行うバックエンドを見直した結果、教師側PCの負担が軽減され、過熱によりPCが使用できなくなるという問題はほぼ解決された。
さらに、併用して使う教材を改善し、単にVRで見えたもの(たとえば雲)に英語でタグ(たとえばCloud)をつけるだけでなく、自分がVRで見たものから五行詩(Cinquain)を作るワークを新たに開発した。これにより、子どもたちはVRで見たものを、自分の英語で表現することが可能になった。開発したアプリケーションとCinquainによるワークを組み合わせたワークショップを11月に小学生を対象に行い、好評を得た。この結果を基に、さらにデモ授業を計画していたが、残念ながらコロナウイルスの感染拡大により対面での授業やワークショップが不可能になり、行うことが出来なかった。
また、計画ではAIで動作するエージェントを教材に組み込むことを予定していたが、現在開発している教材の内容を考慮すると、教員がアバターとしてVR空間内に入り、生徒を指導できる方が適切と考え、ユーザー(教員)がVR空間内でアバターを操作したり、その様子を撮影・配信できるアプリケーションを合わせて開発することにした。当該年度(平成31年度/令和元年度)はVR空間内に資料を提示して記録するところまでは完成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アプリケーションの開発については、使用するプラットフォームやバックエンドを変更する、という大幅な変更を行ったにもかかわらず、期間内に完成し、児童を対象としたデモ授業を行うことが出来た。また、教材開発についても研究分担者の助言を得つつ新しい方向性のものを作ることが出来た。さらに、エージェント/アバターをVR空間で利用することについても、技術的なめどをつけることが出来た。しかし、年度末に計画していたデモ授業はコロナウイルスの影響で実施することが十分行うことが出来なかった。

今後の研究の推進方策

令和二年度は、本来であれば実証実験を本格的に行うべき時期であるが、上記で述べた通りコロナウイルス拡大に伴う緊急事態宣言の影響で実証実験が出来ない状態である。また、緊急事態宣言が解除された後も、学校現場が落ち着きを取り戻すには相当な時間を要すると思われ、学校が我々の実証実験に時間を割くことは困難であると予想される。そのため、実証実験が可能になるまではアプリケーションの開発に注力し、可能であれば研究期間を1年延長して実証実験を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

もともとは44台のスマートフォンを購入する予定であったが、より安価なスタンドアロン型VRヘッドセット切り替えたことに加え、現状では(科研費以外で購入したものも含めて)30台弱の購入にとどまっているため、次年度使用額が生じた。最終的には、1クラスをカバーできる台数(50台程度)を確保する予定である。また、教師側はもともとはPCで操作する計画であったが、アバターを使ってVR空間に入る形に変更したため、教師用のモーションコントローラー付きVRヘッドセットを新たに購入する計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 一斉授業におけるVR(仮想現実)の活用:課題と展望2020

    • 著者名/発表者名
      矢野浩二朗
    • 雑誌名

      FLExICT Expo 2019 発表予稿集

      巻: - ページ: 132-134

  • [雑誌論文] Production of instructional videos using a virtual presentation room on a mobile head-mounted display2019

    • 著者名/発表者名
      Kojiro Yano
    • 雑誌名

      ICAT-EGVE 2019 - International Conference on Artificial Reality and Telexistence and Eurographics Symposium on Virtual Environments

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自分の分身として仮想空間内を案内・紹介するキャラクターエージェントの開発手法の提案2019

    • 著者名/発表者名
      松田 康生, 矢野 浩二朗
    • 雑誌名

      第24 回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 学生のPUZZLINGから生まれる指導法―Motivation graphの活用―2019

    • 著者名/発表者名
      村上裕美
    • 雑誌名

      FLExICT Expo 2019 発表予稿集

      巻: - ページ: -

  • [学会発表] メディアとITを活用した学びの可能性2019

    • 著者名/発表者名
      村上裕美, 塩見佳代子, 矢野浩二朗
    • 学会等名
      日本メディア英語学会第9回年次大会

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公開日: 2021-01-27  

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