研究課題/領域番号 |
18K02885
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
福田 昇 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (10780174)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プレゼンテーション授業 / スピーキング / アクティブラーニング / 自発的ビート / 表象的ビート / 意味飽和 / 発話力 / 情報発信型英語力の向上 |
研究実績の概要 |
「研究の目的」本研究の目的は,学習者が自ら主体的に行う発話型学習の学習効果を経時的に追求し,自発的ビートが発話力を高めるかを明らかにすることで,今の時代が求めている情報発信型英語力の向上を図ることにある。以下の研究内容について,量的検証・質的探索を実施する。 1)情報発信型プレゼン授業は通常の授業よりも学習効果は向上するのか(H29-H30) 2)自発的ビートをする人は,ビートをしない人よりも発話力は向上するのか(H29-H30) 3)対面活動で行う発話活動では,自発的ビートは社会性がある人ほど生じるのか(H30-H31) 4)新出単語を含む発話活動では,自発的ビートは意味飽和になりやすい人ほど生じるのか(H31-H32)「研究の意義」プレゼン活動はあいさつ程度のおしゃべりとは異なり,発話内容に意味を含め た内容学習と新出語彙や文法を含めた言語学習の両方を融合させた学習であり,極めて実践的な活動である。「研究実施計画」1)プレゼン授業について,平成29年~30年 1年間の経時的授業を行い,その発話量をもとに学習効果について調査した。実験群としてプレゼン群(3クラス120人),統制群として通常授業群(2クラス80人)であった。その結果,2つの学習方法において有意差はなかった。2)自発的ビートの学習効果について,ビートをする人(実験群71人)とビートをしない人(統制群35人)で調査を行った。その結果,ビートをしない人の方がビートをする人よりも発話量は多いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プレゼン授業の学習効果および自発的ビートを行う人の発話力の調査等,ほぼ計画通りに進んでいる。しかしながら,平成31年からタイ王国に12校ある中高一貫全寮制のチュラポーン王女サイエンスハイスクールから留学生を本校1学年より受け入れることが決まり,平成30年4月より,その主担当として携わることになったため,さまざまな突発的な仕事が増えている(例:タイ王国への出張5回,総計約30日,受入のための入試業務や校内でのワーキンググループ活動,校内施設の英語表記改訂,寮の改築工事に伴う打ち合わせ,保護者会での説明やホームステイの支援体制準備など)。このため,今後ともこれらの突発的な業務が加わる可能性があるが,今のところ計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
昨年一年間の学習活動で学生のプレゼン活動を動画にて保存してあり,自発的ビートをする人と自発的ビートをしない人との学習群を既に分けてある。 今後はこれらの動画をもとに,ビートトあり&なしの評価を第三者に評価していただき,その分析をもとに2つの学習群の教育的な効果を検証していく予定である。 さらに,自発的ビートを行う人についてはCedrus SuperLabという心理統計ソフトを用いて,記憶と発話反応時間をもとに意味飽和(=記憶容量以上に学習しなければならないとき,反復練習して覚えようとすると文字認識が変化してしまう現象)が起こりやすいかを調査する。また,量的検証と質的検証を含めた発話力の調査のまとめ作業に入る予定である。昨年度学会等の発表ができなかったため,今年度の進捗状況を踏まえて積極的に発表をしていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度にタイ王国チュラポーン王女サイエンスハイスクール校との提携の本校の主担当者としての業務に携わることになり,本研究の学会発表をする時間の確保ができなかった。このため,研究発表のための旅費を主として次年度使用額を回している。タイ王国の業務が突発的に入ってくることが多く,そのため,研究のスケジュールが組みづらいという実情があるが,本年度は主担当ではなく,副担当であるため,研究の成果の発表についても積極的に行っていけると思われる。
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