研究課題/領域番号 |
18K02890
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡林 浩嗣 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (70333309)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 研究倫理 / 研究公正 / 学部生教育 / 教育カリキュラム / 教養教育 / 技術者倫理 |
研究実績の概要 |
研究期間を延長し、実施開始から4年目となった2021年度は、公開されている近年の研究倫理関連教材・カリキュラムについて、研究開始当初から変化がみられることから、これまでの分析対象となる各カリキュラムや教科書、e-ラーニングツールなどの更新状況を改めて2021年8月現在の情報にアップデートし、分析を継続すると共に論文執筆を行った。論文作成にあたっては、既に教育工学分野での実績豊富な外部研究者に意見を求めた結果、構成を総説論文と原著論文に分離することとなり、今年度は主として論文執筆を実施した。また、今年度も引き続き技術者倫理教育の専門家会合へ参加しつつ、これまでの技術者倫理教育において、データ正確性への意識付けや、自らのアウトプットとしての製品またはサービスの品質保証に関する理解、およびその為のプロセス管理や記録保管に関する認識をどの様に養ってきたかという点に着目し、広く過去の文献を調査した。これらの結果を踏まえ、技術者倫理教育における実践例を基準に、研究者を対象とするアンケート調査項目の修正を継続した。アンケート調査とセットでの実施が必要なヒアリング調査については、前年度と同様に新型コロナ対策による移動自粛が想定以上に広範囲かつ長期間となり、ヒアリング調査の開始がさらに遅れた為、今年度はzoom等による遠隔での聞き取りに変更するための倫理審査を並行して実施しつつ、倫理審査の不要な範囲での対象者リストの再修正や事前の意見聴取を実施した。これに伴い、研究期間をさらに1年延長することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度も継続された新型コロナウイルス対策による移動制限による影響と、アンケートと組み合わせて行う為の対面ヒアリングの手法変更に伴う倫理審査の実施、さらに技術者倫理関連分野との対照的分析を追加した等の理由により、研究は大幅に遅れて進行している。
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今後の研究の推進方策 |
研究者に対する予備的なヒアリングを継続しつつ、アンケート調査と組み合わせた正式なヒアリングを2022年度の前半に行う。特に研究者ら年齢やその経験(移動した研究室数/異分野への転身の経験の有無)などを考慮した上で、研究公正教育に関する現状の問題認識と今後の要望を調査する。2021年度までに執筆中の既存研究倫理教育・技術者倫理教育の構造と比較しつつ、これら現場の研究者からのニーズの拡がりと傾向を分析する。最終年度として、研究公正に関する健全な意識を教養教育科目・学生実習等と一体的に伝達し得るカリキュラム案の作成を行い、成果として報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによる移動制限等が想定以上に収束せず、予定した時期にヒアリング等が実施出来なかったことに加え、調査方法の変更に伴う倫理審査の実施が改めて必要になったため、研究期間の延長を行う必要がある。これらの予算は海外文献を含む追加資料の購入やアンケート調査および研究者への対面調査の実施費用、成果報告や論文投稿に係る支出として2022年度に使用する計画である。
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