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2021 年度 実施状況報告書

聴覚障害者の高等教育における個別情報保障に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02891
研究機関筑波技術大学

研究代表者

西岡 知之  筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (70310191)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード情報保障 / 聴覚障害 / 高等教育
研究実績の概要

本研究は、聴覚障害を持つ学生の高等教育における学習を支援する環境を構築することが目的である。障害のために受取りが困難な学習情報について、個人の視覚特性などに配慮可能な形で提示することが可能なシステムの構築を目指している。開発するシステムにおいては、学習者が保障情報を受け取る際に用いる表示デバイスが重要になる。
そこで、今年度も従来から検討を進めていた両眼透過型HMD、単眼非透過型HMDに加え、10インチ程度の小型ディスプレイ端末(いわゆるタブレット端末)についての情報収集を進めた。検討に際しては、デバイスのコスト、利用者への装用時の身体的負担、実際の講義の現場における機材使用の容易さ、利用者に合わせた表示方法の調整操作の容易性などを評価基準とした。
並行して、これらのデバイスを通じて学生に提示する保障情報の提示方法についての検討も行った。これには、提示する情報の種類(手話映像、字幕)や、字幕提示の際の文字数、提示色などが含まれる。
一方で、大学におけるオンライン形式の講義の、この1-2年での急速な普及に鑑み、本研究で利用しているシステム・デバイスのオンライン講義への適用についても検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は、大学での多人数の対面講義における情報保障について検討するものであるが、昨年から引き続き新型コロナウィルスの蔓延状況が安定しないため、対面講義を模した実験の実施が困難なため、デバイスの評価などの実験に基づかない研究を進めることしかできなかった。
また、コロナ禍の長期化により、本研究でターゲットとしている大学での授業環境も、対面からオンラインへと大きく変化したため、研究の最終目標や評価のための実験環境について再検討が必要となり、そのために時間を要している。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の予想外の長期化により、本研究でターゲットとしている大学での授業におけるオンライン方式の利用頻度・重要性が増している。本研究では、対面の授業における情報保障を目的としていたが、利用しているシステムはオンライン方式での講義とも親和性が高いと思われる。
そこで、次年度においては、これまで通り対面の授業向けのシステムの構築及び評価を進めるとともに、利用者端末の評価においては、オンライン授業への利用も合わせて検討を行う。次に、実際の大学の講義の現場のなかから本システムの有効性が高いと考えられる場面を選定する。この結果に基づき、表示デバイスの個別化手段などを絞り込んだうえで、システムの最終的な評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究目的の再検討などのため、実験環境の構築が大きく遅れたため。
今後は、当初計画に加えてオンライン授業での利用も踏まえた報提示システムを構築するために使用する予定である。併せて、実験における被験者への支払いや、成果報告・情報収集のための旅費を使用する計画である。

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公開日: 2022-12-28  

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