研究課題/領域番号 |
18K02895
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小川 亮 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00194465)
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研究分担者 |
上木 佐季子 富山大学, 総合情報基盤センター, 准教授 (70214434)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 一人TT / 教師教育 / 教育改善 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
初年度2018年度は,「一人TT方式」の概念をより明確にして深め,教授行動改善の可能性と現時点における問題点について明確にすること,理解を広げることを第一に,関係する学会で発表を行った。小川・上木(2018)は,PCカンファランス2018(熊本大学)において,大学における情報処理の授業における実践研究の成果を報告した。小川(2018a)は,日本心理学会(東北大学)において,「心理統計学の授業における一人TT方式の授業実践の評価」について発表した。つづいて小川(2018b)は,日本教育工学会(東北大学)において「心理学教育」の実践的研究について発表した。これらの研究成果から,以下のようなことが明らかになった。(1)一人TT用ビデオと授業解説ビデオ(予習復習用教材)は異なる性質をもっており,e-Learning と一人TTの連携を行う条件を明確にすることが,一人TT研究の将来的な可能性を広げる。(2)一人TTの実践的研究では,量的研究ばかりでなく質的な研究が重要である。特に,教材作成の担当者でもある授業者の思い(目的)と教材の作成・利用・評価のループの中で,気づき,調整する過程を記録することで,一人 TT の効果を明らかにすることができる。 また,研究の一環として,2018年8月に免許更新講習の形で中高の教員に対する一人TTに関する研修(対象23名の現職教員)を実施した。研修の結果,一人 TT 研修について多くの教員が前向きにとらえており,研修の効果が確認された。この研修による実践的な知識の蓄積については2019年の学会発表で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,初年度から中学校・高等学校の教員と連携して教育実践を実施し,一人TTの効果を検討する予定であったが,大学における一人TTの教材開発に時間がかかり,2年目から中学校英語科の教員と協力して実践研究を進めることになった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は,中高の教員を対象とする免許更新講習の形で,研修プログラムの開発を行った。この取組を2年目以降も継続発展させることで,当初の計画の目的は達成できると考える。並行して,大学における「教育心理学」「心理統計学」の授業において,実践的な教材開発と評価を行っていく。
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