研究課題/領域番号 |
18K02897
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
新村 正明 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20345755)
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研究分担者 |
野瀬 裕昭 長野県工科短期大学校, 情報技術科, 教授 (60774940)
國宗 永佳 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (90377648)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 仮想化技術 / SDI / 学習支援 |
研究実績の概要 |
SDI(Software Defined Infrastructure) は,仮想化技術を用いることで,コンピュータの演算・記憶機能,ストレージ,ネットワーク等のITインフラを,物理的な機器の上で仮想化された機器を生成し,かつ,ソフトウェアによる動的な構成変更を可能にする技術である.データセンタ構築など,この技術の適用分野は急速に広まり,SDI技術を有する技術者の育成が急務となっている.SDI技術者育成においては,データセンタ構築の再現といった実践的な演習が有効であるが,これには多数のITインフラ機器が必要となる.このような演習環境の構築においても,物理的な機器の上で多数の仮想化された機器を生成することができる仮想化技術は,非常に有用である.本研究は,教育機関において実践的な演習を実施するために,限られた資源のなかで,効果的にSDI技術の演習を行うことが可能な演習システムの開発を行う. 平成30年度は,比較的安価なサーバを用いることで演習環境を構築するアプローチから,サーバアーキテクチャ,演算速度,記憶領域容量等,安価なサーバが持つ固有の制限に仮想化技術を適用させる研究開発を行った.具体的には,サーバの仮想化技術の部分に関して,現行の仮想化技術と安価なサーバにおける制限とのマッチングを行い,新規に技術開発が必要となる部分の洗い出しを行い,演習システムの構築を行った.また,授業実践の検討を行い,システムの一部の機能を実際の授業に適用し,問題点の評価と開発へのフィードバックを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では,平成30年度は,安価なサーバのアプローチによる演習システムを構築し,令和元年度に授業適用を行う予定であったが,演習システムを用いた授業カリキュラム検討が予定外に進んだことから,演習システムの機能の一部が完成した時点で開発を一時停止し,授業への適用を行った.このため,これも令和元年度に実施予定であった演習システムの評価も前倒しすることができたため,演習システムの構築へのフィードバックも可能となった.以上から,安価なサーバのアプローチによる演習システムの構築は予定より進んでいないが,評価・フィードバックが前倒しで実施できたことから,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に実施した,開発途中での評価・フィードバックは,研究進捗の中間評価として有効であり,今後の手戻りも防ぐことができることから,令和元年度に実施予定の多数サーバによるアプローチからの研究開発においても,一部の機能が実現された時点で授業への適用を行い,評価・フィードバックを前倒しで行う. また,令和元年度は,安価なサーバのアプローチによる演習システムと,多数サーバのアプローチによる演習システムの2つのシステムで授業実践が必要となることから,演習担当の研究分担者と連携し,2つの授業においてそれぞれのシステムを適用する授業実践の検討を行う,同様に,演習システムUIにおいても,双方の演習システムで共通化を図り,学習者からはどちらの演習システムを利用しているか分からない状態での比較試験ができるよう検討を行う,
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次年度使用額が生じた理由 |
平成31年3月に研究分担者との打ち合わせを予定し,そのための旅費を確保していたが,別予算で参加した学会において研究分担者との打ち合わせを行うことができたため,平成31年3月執行予定の旅費が未執行となった.令和元年度の研究打ち合わせのための旅費として執行予定である.
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