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2018 年度 実施状況報告書

IoTを活用した創造的思考力を育成するグローカル遠隔協創学習

研究課題

研究課題/領域番号 18K02898
研究機関岐阜大学

研究代表者

河崎 哲嗣  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00582488)

研究分担者 前迫 孝憲  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
奥林 泰一郎  大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (60580941)
山田 道夫  京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
柳本 哲  京都教育大学, 教育学部, 教授 (90441401)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード数学的モデリング / STEAM教育 / IoT / グローカル教育 / 国際遠隔協働セミナー / Fermi推定
研究実績の概要

Science, Technology, Engineering, Art, Mathematicsの4つの領域に跨がった広い視野と深い考慮を統合 (Integration) して問題解決に活かすSTEAM教育と,Internetによって日常生活の「もの」と「もの」を相互に制御し合い,新たな知を創造するIoT(Internet of Things) の2つのテーマに先ず絞ることにした。そこでこれらに関するmicro:bitの算数・数学教育への活用資料の収集を国内外で行った。先ずseeed studio社が開発した「差すだけで扱えるセンサーモジュール」のGroveを機能的な外部取付センサーと捉え,日常生活や自然現象の中のデータを何にするかを検討した。研究協力者となる京都府立高校を訪して協議を行い,課題学習の実態に合うような測定するデータとセンサーの種類の知見を得た。また5月にカールスルーエ教育大学からの物理・技術教育の研究者が来日し,研究分担者及び協力者を囲んだグローカル教育の実践例やその方法について情報交換を行った。さらに沖縄においてはインフラ整備を兼ねた地域教育の教材モデルの視察,ドイツにおいては京都市の高校教諭と生徒達と共に,先進的な教育機関への訪問やSTEAM教育の体験研修を行った。これらは地域における学校が実践できそうなIoTの想定を念頭においたSTEAM教育の方向性の示唆になった。特に,fischertechnik本社・工場を訪問し,IoT・STEAM・micro:bitというキーワードを西欧社会の教育にどのようにアプローチさせるのかの現状と展望の最新情報を把握した。研究分担者と共に国内での取組の在り方の検討に入った。またカールスルーエ教育大学では研究者と,創造的思考力とFermi推定能力の評価規準の構成の検討協議を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英国で発祥したmicro:bitを用いたIoTやSTEAM教育の普及は世界的に浸透しつつ,その情報はインターネットを通して入手できるようになった。また日本でも教材や啓蒙書も沢山現れ,その中から創造的思考力を働かせる算数・数学教育の内容のヒントを得られる環境になったと言える。しかし,英国発信の教育を模倣するのではなく,日本や地域オリジナルの教育内容を構築する必要性がある。fischertechnik本社・工場への訪問は,センサー素子部門で信頼性の高いドイツが新たな価値観で一歩進んだ教育支援を講じている動きを把握でき,非常に価値があった。また教育内容におけるソフトの面においても,学校教員を核としたMM(Mathematical modelling)研究会を立ち上げることができ,基盤が整い始めた。

今後の研究の推進方策

①日本の中の地域,アジアの中の日本としたグローカル教育において,中国の教育動向や特色ある沖縄の活動は注視し続ける必要がある。そこで教育工学的な国際学会での交流や協力を通して情報収集に踏み込むような取組が必要である。
②micro:bitに内蔵するセンサーではなく,外部接続するGroveセンサーのうち,距離センサーや温度センサー等を用いた教育内容の開発や実践に着手する。
③カールスルーエ教育大学との協議内容をさらに進め,データを収集して数学モデルを構築する教材例の入手を行う。また教育機関間の遠隔協働学習を行うために学校教員と共に構想する。
④MM研究会において,学校教員による数学的モデリングやFermi推定の教材開発能力を推し進め,研究成果を国際学会等で情報発信する。

次年度使用額が生じた理由

2018年5月に国際共同研究を行うカールスルーエ教育大学の研究者が岐阜大学を訪問し,研究者間の情報交流を行い,多くの資料提供を受けることができた。また昨今の急速な技術革新によって,micro:bitを取り巻く多くの半導体の出現や教材機器が開発されたため,適合性のある教育実践の計画を慎重に議論し再構築することにした。そのため複数人数で数回に渉って現地調査する予定の計画改善にも繋がった。さらに所属機関の都合により,年度内に1名の研究分担者が研究協力者へ変更する事態となり,使用額分配再考の可能性が生じた。これらを調整する必要が生まれたため,次年度以降は,可能な限り研究協力者とともに,アジア地域における教育ICT事情や国際会議への参加や教材開発の取組等の研究を推進し,成果を高めようと計画している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Karlsruhe University of Education(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Karlsruhe University of Education
  • [雑誌論文] IoTによる新たな価値を創造するSTEAM教育 その2 水の三態変化における温度データの活用2019

    • 著者名/発表者名
      河崎哲嗣・S. ZAORSKI・前迫孝憲・中村 琢
    • 雑誌名

      2019年度 数学教育学会 春季年会予稿集

      巻: - ページ: 118-120

  • [雑誌論文] フェルミ推定を活用した数学的モデリング教材の開発 ―ドイツ連邦共和国における教材分析と義務教育段階を対象とした教育実験―2019

    • 著者名/発表者名
      岡本英通・河崎哲嗣・柳本 哲
    • 雑誌名

      2019年度 数学教育学会 春季年会予稿集

      巻: - ページ: 79-81

  • [雑誌論文] フェルミ推定と数学的モデリング -大学生への予備調査から-2019

    • 著者名/発表者名
      谷 陽良・村井翔馬・河崎哲嗣・柳本 哲
    • 雑誌名

      2019年度 数学教育学会 春季年会予稿集

      巻: - ページ: 82-84

  • [雑誌論文] 数学教育におけるSTEAM教材開発 四節リンク機構とカム機構の教材化2019

    • 著者名/発表者名
      加藤浩行・河崎哲嗣
    • 雑誌名

      2019年度 第23回数学教育学会大学院生等発表会予稿集

      巻: - ページ: 6-11

  • [雑誌論文] プログラミング学習を活用した算数教育2019

    • 著者名/発表者名
      中村高康・河崎哲嗣
    • 雑誌名

      2019年度 第23回数学教育学会大学院生等発表会予稿集

      巻: - ページ: 16-21

  • [雑誌論文] 小学校高学年からの複合量の認識を高めるためのデータ活用 -体積に関するフェルミ推定を扱った問題解決に向けて-2019

    • 著者名/発表者名
      稲葉芳成・河崎哲嗣・山本春輝
    • 雑誌名

      岐阜大学教育学部研究報告(自然科学)

      巻: 43 ページ: 1-12

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 機構を用いた STEAM 教育の教材研究2019

    • 著者名/発表者名
      加藤浩行・河崎哲嗣
    • 学会等名
      第65回 近畿数学教育学会 例会
  • [学会発表] プログラミング学習による思考力を育成するための算数・数学教育の教材開発2019

    • 著者名/発表者名
      中村高康・河崎哲嗣
    • 学会等名
      第65回 近畿数学教育学会 例会
  • [備考] Josephs Digitalpakt

    • URL

      https://www.youtube.com/watch?v=XSVYNYr94Hw&feature=youtu.be

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公開日: 2019-12-27  

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