研究課題/領域番号 |
18K02903
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
宇野 健 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20305783)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | プログラミング演習システム / Webアプリケーション |
研究実績の概要 |
本研究は,C言語プログラミング学習支援システムの開発,学習状況の評価のためのフィードバックシステムの開発,授業におけるプログラミング演習状況可視化システムの開発,学習データを用いた成績不振兆候者検出の試み,の4段階からなる.平成30年度は,主にC言語プログラミング学習支援システムの開発を行った。 これは,今回の研究において,学習者と指導者双方のインターフェースとなる,メインシステムである.Webアプリケーションとして開発することによって,Webブラウザ上でC言語のソースの作成,コンパイル,実行が可能とした。また,このシステム上で学習者が行った操作は,全てサーバのデータベースに蓄積し,これを次年度以降に開発する各システムにおいて活用する. システム開発の際に,サーバ上のコンパイラ(gccを使用)で正常にコンパイルされたソースファイルを,Web言語のひとつであるPHPを用いて開発するエミュレータで実行することを試みた.これにより,従来の手法では不可能であった,入力待ちが必要なプログラムの実行がWebブラウザ上で可能になった.さらにこれまで取得が困難であった,制御文の条件違いによる無限ループや論理エラー等の実行時エラーの取得と,それらのデータベースへの蓄積が可能となった.これにより,学習者の学習行動をより詳細に把握することを可能となり,今後開発するシステムでの評価の項目や判定用のしきい値の設定等に活用することができるようになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初に設定したC言語学習システムを開発するという目標はほぼ達成できた。しかし,PHPでの実行エミュレータの開発に難航したためにシステムの完成とテストが遅れてしまったため,授業での運用回数が,当初の半分程度になってしまった。 システムの運用テストや,データの取得等に問題はなかったため,次年度以降の運用は問題ないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,平成30年度に開発した演習システムを実際の授業で運用し,ログデータのチェックや,学習者に対するアンケート調査等で操作性や機能の問題点を洗い出し,その改善等を行っていく。 次に,学習者が演習を行うことによって蓄積したデータを用い,学習者個別の学習状況を評価し,学習者に提示するフィードバックシステムの開発を行う.演習や練習問題の達成率や,入力文字数やコンパイル,実行回数等を元に評価基準を作成し,相対的に評価を行う.評価基準については,運用データ等を元に,各種パラメータやしきい値の設定を行う.また,評価に対する学習者のコメントと次回授業の目的を授業の最後に入力させることで,授業の気付や振り返り,改善等を促す. 指導者側へのフィードバック機能として,全学習者の詳細な評価の閲覧,作成したソースプログラムの表示,演習の操作ログの集計,各種エラーの集計等を開発,実装する.また,プログラミング演習で問題となる,ソースのコピー&ペーストを自動で判定・検知する機能を開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 次年度使用額が42,532円発生した理由は,学会の開催場所によって旅費を抑えることができたことが主たる理由である。 (使用計画) 次年度使用額は,旅費として利用したいと考えている。
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