近年の急速な人工知能(以下AI)研究の進展に伴い,コグニティブ・コンピューティングが我々の生活する一部の場面で実用化されてきている。今後,社会の様々な場面でも導入が進展することが予想されるが,人材育成の面で十分な環境が整っているとは言い難い。 AIは,ディープラーニング理論の登場により一般社会において実用的な段階を迎えることとなり,IoTやビッグデータといった,関連する技術との連携により,今後その普及促進が期待されている。AIを取り巻く技術の発展は,最も注目される分野として,政府や各企業などが主導し,あらゆる分野で開発競争が繰り広げられている。本研究では,人工知能をプログラミングし取り扱うための言語的知識と,実社会において活用するための社会的な視点の二つに立脚したコグニティブ・コンピューティング時代に応じた人材育成を行うことを目的ととした。本研究の対象は,非技術系の社会学系の大学生とし,コグニティブ・コンピューティング学習教材の開発を試みた。 プログラミング言語の知識に加え,社会の諸課題に立脚した視点で,C・C活用人材の育成に必要な教育的取組み,能力,スキルの範囲を明らかにする。取組の対象としては,情報系科目や教科内容を専攻しない,社会科学系学生をターゲットとした。 実際に,上記で明らかにしたC・C活用人材に必要な要素を効率的に育成できる教材を開発する。開発した教材を用いて講義を実施し,その結果から評価・改善を行い教材にフィードバックさせることを目指した。教材の評価については,教材を活用した学生を対象にルーブリック評価を実施した。
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