研究課題/領域番号 |
18K02931
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
三崎 隆 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (70360964)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教科横断 / 実生活 / 資質・能力 / STEM教育 |
研究実績の概要 |
教科横断型カリキュラムと21世紀型の資質・能力について,日本国内における日本理科教育学会,日本科学教育学会,臨床教科教育学会において,オンラインによる紙上発表による情報収集を行った。特に,日本科学教育学会第44回年会においては,インクルーシブSTEM教育の理論・実践・評価の題目の招待講演,及びSTEM・STEAM教育の国際的な動向と次世代教育というテーマのシンポジウムによって有益な情報を収集した。また本研究では,STEM教育を中心とした自然科学総合教育の先進的な取組をしているイタリアの学校教育諸学校における学校現場の実態調査を行う予定で計画を立案していたところである。しかし,新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響のため,中止とせざるを得なくなった。次年度に延長して,次年度以降への課題として継続的に取り組みたいと考える。 本学教育学部附属松本中学校,附属松本小学校における算数・数学,理科,技術の教科横断型カリキュラムとして21世紀型の資質・能力について,オンラインにて検討を重ね,両校の担当教員の協力の下で授業実践を試みることができた。教科横断型カリキュラムの実践によって課題探究力,社会参画力,自己表現力の高まりが認められることを確認することができた。特に,附属松本中学校に於いてはモーターの仕組みを取り上げ,当該資質・能力に基づいて構想した単元に生徒の到達状況を位置付けることで,根拠を持って探究する生徒の学習状況を捉えることができた。また,理科に対する意識に関するアンケート調査結果から,日常生活に役立ち,将来へのつながりからやりがいを感じる等の評価が得られている点が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教科横断型カリキュラム及び21世紀型の資質・能力に関する日本国内における先進的な学校教育の実態について学会紙上発表において情報収集を行うことができていること,具体的な学校現場の現職教員とともに実際的な運用となる教科横断型カリキュラムとしての資質・能力の検討をオンラインで行ったこと,成果と課題をまとめることができたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
教科横断型カリキュラム構築の情報収集をより一層推進するとともに,協力校における具体的な教育実践の試行を充実させ,その成果と課題をさらに検討する。特に,新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって中止となった海外の諸外国における先進校の現地調査について継続して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって海外視察を中止とせざるを得なかった点及び学校現場に於いて児童生徒同士による相互作用の生じる対面による対話的な学習が十分に行われなかった点による。次年度使用額は物品費並びに旅費等として使用する予定である。
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