本研究は環境問題や減災・防災教育とも相まって現代的な社会・教育課題としてますます注目をされるようになってきた理科、地球領域における課題を解決す るために計画・実施したものである。令和2年度からの新学習指導要領の実施に伴い、現代的な理科教育の課題を整理・勘案したときに、科学的な知識・理解に加 え、防災教育や環境教育の観点や扱いが重要になっている。同時に単元・教科横断的な学習や社会に開かれた教育課程が重視されるにあたり、「地球」領域にでは、これまで独立的に行われてきた「大地に関係する単元」と「天体に関係する単元」とを関連させる授業展開・教材開発が児童・生徒にとっては時間・空間概念の獲得に向けて効果的であると考え実践教育を伴う研究を進めている。本科研研究では、 「星空地球塾」として大地と天体学習の融合した学習の流れ・展開を開発し、児童・生徒の科学リテラシーのうち「地球」領域 の時間・空間概念の獲得・向上と教員を目指す大学生・大学院生の指導力向上を狙った。概要として、島根県内(主に松江市)の小学校を中心として 合計14回の野外学習と室内学習支援をとおした実践研究を行う事ができた。内訳は、島根県内の小学校(松江市)13校に対して島根半島や斐伊川を用いた野外学習支援、星空天体に関わる授業実践・研究を行うことができた。なお、特筆すべき成果としては、4年に1度の国持ち回りで開催の「国際地学教育学会(GeoSciEd)2022」の開催に向けて、日本(島根県松江市)の招致を獲得した点である。本科研費の成果については、2022年8月島根県松江市開催の同学会で世界の地学教育関係者に向けて広く発表する予定である。
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