研究課題/領域番号 |
18K02948
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
濱口 直樹 長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (00369977)
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研究分担者 |
高遠 節夫 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (30163223)
大島 利雄 城西大学, 理学部, 客員教授 (50011721)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 立体モデル教材 / 空間図形 / 授業設計 / KeTCindy |
研究実績の概要 |
現在、大学や高専、あるいは高校などでも3Dプリンタやタブレットを教育のために利用する場面が増えてきており、教育効果を高める授業設計の可能性は広がりつつある。このような中、本研究では、数学教員が図形教材を作成することを容易にし、効果的な授業の設計ができる環境作りを目的としている。 空間内の曲面としてあらわされる2変数関数のグラフについては、教員が黒板に描くことは困難な場合が多いが、それらの形状を学生に提示する手法としても、ICTが活用しやすくなってきている。一方で、これらを利用して教材を作成するためにはどのような準備が必要かの理解は進んでいるとは言えない。この点に注目し、我々は基本的かつ典型的な曲面や空間図形のデータを作成し、Web上に公開した。3Dプリンタを使用できる環境があれば、これらのデータを利用することにより、空間図形の立体モデル教材を作成できる。また、3Dビューワを用いることができれば、タブレットやスマートフォン上において、その形状を学生自身が確認することもできる。Web上にはこれらのデータを作成するために用いているKeTCindyのファイルもあわせて公開しており、教員がファイルに手を加えて新しい空間図形教材を作成することも可能である。さらに、これらは新しい教育手法の検討にも利用できると考えられる。 我々が整備を進めている上記のKeTCindyについても、他機関の研究者との研究打ち合わせを重ねながら更新を進め、最新版をWeb上に公開している。また、得られた成果については国内外の学会において発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インストール方法の更新や機能の追加など、KeTCindyの整備は順調に進んでいる。また、国内外における研究成果の発表や空間図形を含むサンプル集の公開は、教員による図形教材作成や効果的な授業設計の環境づくりにつながっていると考えられる。 また、PCの性能の向上、開発が進む新たなソフトウエアの利用等により、これまでは作成困難と思われた空間図形の作成方法の検討に着手している。 ICTを用いた授業設計に大きく関わる本研究内容は、遠隔授業の可能性を広げるものでもあり、今後も新たな成果が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
KeTCindyの整備について、陰関数の処理や図形の表示方法を検討し、さらに更新を進めていく。 3Dプリンタを用いた立体モデル教材の作成について、手に取ることのできる教材の効果、実際の授業での教育効果の検証を行い、Web上に公開している教材サンプルを追加していく。 授業の設計に関して、タブレット教材との効果的な併用方法、授業テーマの検討、遠隔授業での利用方法の検討等を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
安価であるが十分な性能を持つ3Dプリンタにより、材料にかかる費用を抑えることができている。 また、年度末にかけて学会や研究打ち合わせ等が中止または延期となり、使用予定の旅費を次年度に繰り越した形である。 タブレット端末の性能が年々向上しており、当初の計画に加え、タブレットについては次年度も購入の予定である。
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