研究課題/領域番号 |
18K02958
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
柳本 朋子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70159771)
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研究分担者 |
真野 祐輔 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10585433)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校教師 / 教授学的内容知 / 算数 / 数学的プロセス |
研究実績の概要 |
2020年度の研究活動は,前年度に引き続き小学校教師志望の大学生の教授学的内容知の変容に焦点を当てて進めた.大学の授業の一環として行われた算数科授業研究への参加(研究授業や研究協議の参観)により,学生が作成した事前・事後の学習指導案を詳細に分析した.特にその変容が顕著にみられた学生と,そうでない学生を比較し,その違いの要因を分析した.それをもとに,大学授業としての授業研究への参加が大学生の教授学的内容知の変容に対してどのような役割を果たすのかを考察した. また,2020年度は,COVID-19の影響により国内外の学会等が延期されたりオンライン開催となったりしたため,成果発表等は予定通り行えなかったが,前年度に国際会議で発表した研究成果をさらに発展させることにより,論文作成に取り組んだ(研究分担者との打合せ等もオンラインで行った).その中で,授業研究会への学生の参加を通した教授学的内容知の変容だけでなく,そうした変容に影響を与えうる環境要因や文脈などを様々レベルから検討した.例えば,附属学校で開催された授業研究会の特色を踏まえ,学生の授業構成と実際の研究授業の構成の比較や,授業研究会の前後で授業構成が変化しなかった学生に焦点をあてた分析などを行った。そうした新たな検討を行うために,研究に用いる理論的枠組みも発展させることになった。研究成果は,2021年1月に数学教育の国際ジャーナルに成果の概要が受理され,論文投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は,COVID-19の影響により国内外の学会等が延期されたりオンライン開催となったりしたため,成果発表等は予定通り行えなかった.また,同様の理由により,学校現場での研究授業や授業研究に大学生が参加する機会を設けることができなかったため,新たな実践から検証することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今までの成果をもとに,大学の算数科の授業研究への参加による学生の教授学的内容知をさらに明確にし,そうした変容に影響を与えうる環境要因や文脈など,様々なレベルから分析したことに対してさらに検証し,理論的枠組みをより発展させていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により国内外の学会等が延期されたりオンライン開催となったりしたため,旅費の執行が全くなかった.今年度は会議への参加,算数科研究授業への学生参加費や授業分析に対する謝金などにも予算を執行する予定である.
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