研究課題/領域番号 |
18K02966
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
藤枝 美穂 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20328173)
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研究分担者 |
野口 ジュディー津多江 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 名誉教授 (30351787)
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
浅野 元子 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20813984)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パラレルコーパス / 医学英語 / ESP / 論文抄録 / ライティング |
研究実績の概要 |
本研究の目的のひとつは、ESP(English for Specific Purposes)ならびにコーパス言語学でこれまで培われてきた知見を、医学論文抄録の英日対訳コーパス構築と利用に応用し、医学研究者の英文ライティングを支援することである。本年度は、昨年度から取り組んできたNew England Journal of Medicine(NEJM)アブストラクト英日対訳パラレルコーパス(1年分、208編、2,374文)の分析結果について、年度末に国際学会(INTED 2021)にて発表し、論文化することができた。具体的には、1)助動詞を用いたヘッジ表現、2) collocational frameworkと呼ばれるthe+名詞+of表現、3)セミコロンなどの句読法について言語的な分析を行った。その結果、助動詞については日本語対訳のバリエーションから、助動詞の多義性が窺えた。また、計量に関するthe … of 表現の一部に日英間でずれがあり、対訳に表出しない場合があることがわかった。句読法については、英文の文脈の切れ目に用いられているセミコロンやコロンの箇所は、日本語対訳では句点や読点で表現されることがあることが観察された。 さらに、パラレルコーパス検索システムのプロトタイプ作成を依頼し、そのシステムに搭載する上記NEJMアブストラクト6年間分の英日対訳データを整備した。具体的には、NEJMのオリジナルサイトの英文および日本総代理店が運営するサイトからの日本語公式訳をダウンロードし、各アブストラクトについてセクション情報および文番号等を付与し、一文ずつ英日の対訳を確認するアライメント作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大に伴い,当初予定していた海外および国内の医学分野におけるライティングセンターの視察が実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在,NEJMアブストラクト英日対訳パラレルコーパスの検索システムを開発中であり,2021年度前期には学部生を対象に使用感調査を行う予定である。学生および研究分担者からのフィードバックを生かして改良を加え,具体的なライティング支援の方法を確立していく予定である。後期には,実際に研究を実施している若手研究者を対象にシステムを利用してもらう計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、予定していた海外での学会参加がキャンセルとなったことで旅費の使用がなかったため。2021年度は、引き続きオンラインでの学会での成果発表およびデータ収集のために助成金を使用する予定である。
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