研究課題
本研究では,The New England Journal of Medicine (NEJM)の医学論文抄録の日英対訳パラレルコーパスを構築し,情報システム関連の専門家の協力のもと,両語で検索可能なシステムを開発し,それを利用して医学英語教育を支援する方法を探ってきた。最終年度である本年度は,昨年度に引き続き分担者の浅野を中心に,試作した医学英語教育支援システム(Medical English Education Support System, MEESUS)を利用した授業実践,およびシステムの機能追加と拡充を行った。新バージョンでは,英語と日本語のコンコーダンスラインが左右に並んで表示されて対訳がより見やすくなったほか,検索語のハイライト機能や,検索語の入力時のスペルミスが原因でヒット数が0件という状況をなるべく避けるためのサジェスト機能が追加された。これらの新機能は,いずれも実際の学習履歴やユーザビリティに関するアンケート結果を反映したものである。システムの授業利用にあたっては,各科目の学習進度に合わせて学年によって異なる課題を第1学年,第3学年,第4学年において設定し,授業実践を行った。コロナ禍においてオンラインで行われた第4学年の授業では,雑誌などの「抄録においてランダム化比較試験(randomized controlled trial: RCT)の報告をする際に含まれるべき項目」に則って抄録を読み,適切な情報を抽出したり抄録内容を要約する課題を与えて,MEESUSの日英並列表示の有効性や,各項目の抽出の難易度について検討し論文化することができた。今後の継続的利用のために12年分の日英抄録のデータをシステムに追加するとともに,実際の論文へのURLを付与するなど,さらなるシステムの拡充を行った。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
統計数理研究所共同研究リポート 464 ー工学系英語論文要旨における 談話機能単位の量的分析ー
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