研究課題/領域番号 |
18K02968
|
研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
新井 しのぶ 中村学園大学, 教育学部, 助教 (30529970)
|
研究分担者 |
石田 靖弘 中村学園大学, 教育学部, 教授 (00719271)
白石 恵里 中村学園大学, 教育学部, 助手 (20804652)
坂本 真由美 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (50325544) [辞退]
田中 るみこ 中村学園大学, 教育学部, 助教 (70614311)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 幼児科学教育 / 理科教育 / 幼小接続 / 保育者養成 |
研究実績の概要 |
本研究は、幼児が遊びを通して自然科学への好奇心や探求心を深めることで、日常生活の様々な現象に対して科学的視点をもつことができるようになることを目指す、幼児向け科学教育の新規プログラムの開発、および科学遊びを実践できる保育者養成プログラムの開発を目的としている。 2020年度は、幼小接続を目指した幼児向け科学活動(月の満ち欠けをテーマとした科学絵本の読み聞かせと科学あそびを実践)の成果をまとめ、科学教育学会にて報告を行った(新井ら 2020)。具体的には、月の満ち欠けの規則性に気づくことができる科学絵本(2019年4月発行 三恵社)の読み聞かせと、「月の満ち欠け」を遊びで体験する科学活動を幼稚園にて実践し、1年間の追跡検証を行った結果、幼児が月の見え方に興味・関心を持つことで、月を見るときに科学的視点を働かせる効果が得られることが明らかとなった。さらに、この科学活動の成果を生かし、本年度は天体の種類、見え方についての科学絵本を新たに開発した(2020年6月発行、三恵社)、それを利用した幼児・児童向け天体観測についての検証を行った(新井ら 2021)。 小学校理科教育では、児童が理科の見方・考え方を働かせながら実験・観察を行うことで、自然科学の現象を捉えていく。実験・観察において、児童が日常生活で目にする自然科学現象への気づきが仮説設定の重要な根拠となる。ゆえに、我々が効果検証を行った幼児向けの科学活動は、幼児期から自然科学に対して興味・関心を高め、日常生活の気づきを科学的視点で捉えるようになったことから、小学校理科の学習に向けた幼小接続教育の一つとなりえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは、保幼小接続を目指した科学あそびのプログラムについて、伝える手段である「科学絵本」と幼児が気づく手段である「科学あそび」を開発し、それらを検証するとともに、保育者を目指す大学生に自然科学の基礎知識を学ぶことが、幼児の自然のふれあいに効果的な働きかけができることを明らかにしてきた。本年度は、新型コロナの影響により幼児や児童を対象とした実践や、科学の知識を生かすことができる保育者養成のワークショップ等を計画通り遂行できなかったが、今年度はオンライン会議システムを利用した科学活動やワークショップを行いたい。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、現在までの成果を生かし、新型コロナの状況に対応できるICTを利用した幼児科学教育の実践を検討することで、遠隔地など科学の専門家による協力が難しい保育園・幼稚園においても、幼児向けの科学教育本研究の現在までに行った成果を報告するとともに、その成果を生かし新たに幼児科学教育のプログラムを開発し、同様の効果が得られるかを検証していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響によって、予定していた幼稚園・保育所での実践および保育者養成の学生を対象としたワークショップ等を行うことができなかったこと、また国際学会での学会への参加(旅費)ができなかったことが、差額が生じた理由である。よって、これらの計画は柔軟に変更しながら次年度にて引き続き実施する予定である。
|