干潟のメイオファウナについて,貝形虫類に着目し明らかにした.小櫃川河口干潟では,1990年代以来初の未記載種を発見し,新種として報告した.多摩川河口では10年スケールで貝形虫相が変化したことが明らかになった.これらの結果は,干潟の生物相は今後も調査の余地が大いにあること,橋の建設や護岸の整備により,干潟の環境がミクロスケールで変化していることを示す. また,これまでメイオベントスを教材に用いる場合は,高性能な顕微鏡や電子顕微鏡画像が必須であったが,目的に合わせて図版を作成することにより,携行型の顕微鏡で実習が可能であることがわかり,メイオベントスの教材としての可能性を示すことができた.
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