研究課題/領域番号 |
18K02997
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
兼子 尚知 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50356804)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 3Dプリンタ / 地質標本 / 新型コロナウィルス感染症 |
研究実績の概要 |
本課題の目的は,3Dプリンタによって地質情報の立体模型を造型するノウハウの構築,その模型を研究素材として利用することによる研究進展への貢献,模型を教材として教育や人材育成に利用したり,研究成果発信のための展示・説明等に用いてその高度化を図ることである.本研究課題においては,地質構造や化石標本等,様々な地質情報の3次元形状デジタルデータの取得や加工処理,そのデータから3Dプリンタによる精密かつ客観的な立体模型を出力する一連の技術を開発し一般化する.こうして作成された精密な模型は研究材料として有用であり,研究分野の発展に貢献することが期待される.さらに,それらの立体模型を教材として教育や人材育成に利用したり,研究成果発信のための展示・説明等に用いてその高度化を図る. 研究4年目(延長後最終年度)の2021年度においては,昨年度同様に新型コロナウィルス感染症拡大のため出張等が制限され,外部機関でのデータ取得等が計画通りにできなかった.そのため,購入した3Dデータ処理ソフトウェアの操作習熟等に専念せざるを得なかった.計画が大幅に遅れたことにより,補助事業期間延長承認申請を行い,2022年度を最終年度として研究を継続することとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は,新型コロナウィルス感染症拡大のため,当初計画を全て実行するには至らなかった.論文や学会発表の機会も得らなかったため,進捗状況は遅れていると評価せざるを得ない.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を再延長後の2022年度は,新型コロナウィルス感染症の終息が見通せない状況ではあるが本課題に注力する.これまでに実現できなかったマイクロX線CTスキャン装置を用いた微化石の3次元データ取得を実施し,系統的な指標化石模型を製作する.化石に留まらず,地質構造や地形などの地質情報の立体模型製作にも取り組み,研究課題の核心部分を掘り下げることとする.このようにして製作した模型を地質標本館などにおいて実際に展示に用いたり,学生実習などに提供することで,教育・展示技術の高度化を押し進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
「研究実績の概要」・「現在までの進捗状況」にも述べたとおり,当該年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため,十分に研究活動に時間をかけることができず,計画を実行しきれなかった.期間再延長後の2022年度は,新型コロナウィルス感染症の終息が見通せない状況ではあるが,研究を計画に沿って進める予定である.2022年度は,主として外部機関が所有するマイクロX線CTスキャン装置による微化石の三次元データ取得のための旅費や機器使用料,外部へ依頼する模型製作費として予算を使用する予定である.
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