研究課題
基盤研究(C)
振り込め詐欺被害者自身が、どのように被害過程を捉えているかを明らかにするために、インタビュー調査を行った。結果として、被害者自身とは属性・社会的背景が異なる知人の介入が、被害の拡大防止に効果的であることが示唆された。調査期間中に新型コロナウィルス感染症が蔓延したことにより、十分な調査対象者からの回答が得られなかったため、被害の水際防止に関する表彰を取り扱った新聞記事の分析を引き続き行うこととした。
社会心理学、犯罪心理学
公表されることの少ない被害者自身の語りに着目することにより、実際の被害過程や有効な被害予防策をを詳細に検討しようとした点は、学術的にも社会的にも意義のあるものといえる。振り込め詐欺に代表される特殊詐欺被害は、約20年に渡って全国的に事件が認知されており、累計被害額は6000億円を超えている。被害者や家族の人生設計を大きく変貌させる詐欺被害を未然防止のためにも、本研究の知見が活用されることを期待するものである。