研究課題/領域番号 |
18K03002
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐藤 広英 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (00598691)
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研究分担者 |
河原 純一郎 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (30322241)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 潜在連合テスト / アプリケーション / スマートフォン / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本研究課題は,日常のメンタルヘルスの評価方法として潜在連合テスト(Implicit Association Test;IAT)に着目し,スマートフォン上で潜在連合テストを実施するウェブアプリケーションを開発し,その測定の妥当性を検証することを目指すものである。平成30年度はスマートフォン上で潜在連合テストを実施するためのウェブアプリケーションの開発を行った。開発したウェブアプリケーションの仕様は,以下の通りである。(A)画面中央に表示される刺激語を左右のいずれかに分類する課題であり,左右いずれかのエリアをタッチすることで課題を進める。刺激呈示からタッチまでの反応時間を測定する。画面は縦向きでも横向きでも実施可能である。(B)2つのメインブロックの平均反応時間,標準的なスコアリング法であるDスコアを自動で出力する,(C)カテゴリ名,刺激語(およびその数)を自由にカスタマイズ可能であり,メンタルヘルスだけでなくさまざまな潜在的測定法に利用可能である。(D)潜在連合テストと共に,ウェブアンケート(カスタマイズ可能)による自己報告測度も利用可能である。(E)個人のメンタルヘルス評価に利用することを想定し,IDとパスワードにより個人ごとのデータ管理が可能である。ただし,現状のウェブアプリケーションでは「画像刺激が利用できないこと」,「single-blocked IATが実施できないこと」,「自動出力される数値の検算ができていないこと」といった課題が残されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では,平成30年度はスマートフォンで潜在連合テストを実施可能なウェブアプリケーションの開発を目的としていた。未だ開発途中の部分はあるものの,次年度に実験を行うための最低限の環境は整った。したがって,現在までの進捗状況としては,「(2)おおむね順調に進展している」という評価が妥当と考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に開発したウェブアプリケーションについて,不十分な部分を引き続き開発していく予定である。それと並行して,当初計画の通り,開発したウェブアプリケーションを用いて,個人ごとの潜在的なメンタルヘルスを適切に評価できるかどうかを検証するための実験室実験を実施する予定である。
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