他の先進国に比べ,日本ではいまだに大きなジェンダー格差が残り続けている。この原因について社会心理学の立場から検討した。その結果,不平等を生んでいる既存の社会を肯定すること(システム正当化)によって,幸福感が高まること,特に,この作用は女性に強く働いていることが示された。また,結婚や出産で転職や退職した女性の中で,その決定を自分で行ったと思う程度が強いほどシステム正当化をすることが見出された。さらに,女性には男性にはない素晴らしい特性があるといった信念(好意的性差別態度)がシステム正当化の働きをしていることなどを見出した。
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