研究課題/領域番号 |
18K03010
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山 祐嗣 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (80202373)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コンテクスト / 比較文化的研究 / 後知恵バイアス / 推論 / 二重過程理論 / モラルジレンマ |
研究実績の概要 |
日本、韓国、台湾、フランス、英国の5か国において、省略三段論法をどの程度受け入れるかについての比較文化実験は、データの分析が終わり、投稿論文の執筆中である。当初は、東洋である日本、韓国、台湾で受容されやすいと予測されたが、受容されやすかったのは日本、韓国、フランスであり、言語の影響が大きいことが推定された。このほか、裁判の証言のための知覚的後知恵バイアスについての研究は、Applied Journal of Psychologyに採択され、オンラインで先行出版されている。実験的的手続きが工夫されて、裁判の証言ための知覚的後知恵バイアスを示した。このほか、モラルジレンマについて、大規模な国際比較研究に参加し、日本におけるデータ収集に協力した。 また、熟慮的システムと直感的システムを仮定する二重過程理論において、前者が後者の不適切・非合理的出力を制御・修正するのかという問題が提起されている。これについて、たとえば人権意識が高まったなどの歴史的変化に注目するという、歴史的自然実験について、日本理論心理学会の理事会企画講演で話題提供を行った。 このほか、「児童心理学の進歩2020年版」を編集した。また、思考の文化差について、"Cultural differences in human reasoning: An adaptation approach."という賞を執筆し、Springerからの、N. Rezaei (ed.), Integrated Science Vol IV. Thinking: Bioengineering of Science and Art.において出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトの最も大きなテーマである、省略三段論法についての比較文化研究について論文執筆にまで至った。これ以外に、二重過程理論、後知恵バイアスについての研究も行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
二重過程理論について、熟慮と直感で矛盾した信念を弁証法的に受け入れるという研究はまだない。この研究に着手しようとしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの世界的蔓延のため、2020年にパリ第8大学で行う予定だったInternational Conference on Thinkingが延期となり、同時にツール大学で行う予定だったシンポジウムも中止になった。そのため海外旅費がゼロとなり、同時に国内旅費も全く執行できなかった。またそれに伴う消耗品等も購入の必要がなくなった。
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