対人関係の関係形成・維持場面における行動方略と,機会コスト(現在身を置いている関係の外部に,どの程度より良い関係が存在するか)の関係について検討を行った。その結果,機会コストの小さい(既存の関係に留まり続けることのコストが小さい)環境に身を置く人々に比べ,機会コストの大きい(既存の関係に留まり続けることのコストが大きい)環境に身を置く人々の方が,関係形成のみならず関係維持にも資源を投資する傾向があることが明らかとなり,機会コストの小さい環境に身を置く人々が獲得している行動方略が,見極め能力などの対人スキルとは別の形で獲得されている可能性が示唆された。
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