研究課題/領域番号 |
18K03019
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
高 史明 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (90594276)
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研究分担者 |
小林 哲郎 神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60455194)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レイシズム / 人種・民族差別 / 在日コリアン / 在日韓国・朝鮮人 / 在日朝鮮人 / 在日外国人 |
研究実績の概要 |
オンライン調査会社に委託して、1件の実験を実施することができた。この実験は、当初計画のとおり、採用場面における在日コリアンに対する差別がどのような条件下で生じやすくなるのかを検討するものであった。「リスト実験」と呼ばれる手法を用いるなどの工夫をしつつ、参加者の業種・職種や仕事上の優先事項の認知などが差別の生起にどのように関わっているかを検討した。得られた結果については、今年度に国内外の学会での発表を行った上で、国際誌論文として年度内の投稿・採択を目指す。 また前年度に執筆したCambridge University Press 社の『Hate Speech in Japan: The Possibility of a Non-Regulatory Approach』(Shinji Higaki & Yuji Nasu編)の一章、「A Quantitative and Theoretical Investigation of Racism in Japan: A Social Psychological Approach」は、2020年度に校正プロセスを進め、2021年1月に公刊された。これは、社会心理学における差別および関連する諸概念を整理した上で、なぜ情報化社会においてヘイトスピーチが盛んに流布されるのかを論じたものであった。 この他に、代表者が座長を務めるシンポジウム「Prejudice, Discrimination, and Stereotypes in Northeast Asia」を、2021年7月にオンラインで開催されるThe 14th Biennial Conference of the Asian Association of Social Psychology(アジア社会心理学会大会)内で実施する計画で、2020年度を通じて準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度以前に遅れが生じており、2019年度の実績報告書では2020年度中に取り戻すことを目指すとしていたが、新型コロナウイルス流行のため研究以外の業務が急増した影響もあり、完全に取り戻すには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に実施した実験の結果を踏まえ改良を加えた実験を、年度前半に複数実施する。またこれまでに得られたデータとともに、本年度中の採択を目指し論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度までに生じていた計画の遅れを完全に取り戻すにはいたっていないため、オンライン調査・実験の実施と論文の公刊に関わる【その他】の費目で繰り越しが生じている。また、新型コロナウイルス流行の影響で出張を行わず使用しなかった【旅費】でも繰り越しが発生している。これらについては、2021年度中に実施する実験・調査およびその成果の公表に使用する予定である。
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備考 |
ジェニファー・エヴァーハード(著)・山岡希美(訳)・高史明(解説)『無意識のバイアス:人はなぜ人種差別をするのか』に、本研究課題と強く関連する解説(14ページ)を執筆した。
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